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小牧太騎手のキーパーソン、伊藤雄二元調教師との今でも続く深い縁「長いあいだ、本当にお世話になった方やから…」

  • 2022年08月23日(火) 18時01分
太論

▲小牧太騎手が伊藤雄二元調教師との深い縁を語ります(撮影:下野雄規)


先週はフチサンメルチャンが際どい4着。11番人気という低評価を覆し、力のあるところを見せてくれました。この後は放牧に出て、秋の新潟に備える予定とのこと。今から千直での激走が楽しみです。さて、先週は名伯楽の訃報が飛び込んできました。伊藤雄二調教師といえば、小牧さんにとってもキーパーソンとなった人物。今回の『太論』では、今でも続く伊藤雄二先生との縁を語ってくれました。

(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

JRAに移籍するための年間20勝、伊藤雄二先生が力を貸してくださった


──土曜日の最終では、フチサンメルチャンが僅差の4着。11番人気という評価のなか、しっかり見せ場を作りましたね。

小牧 メルチャン、すごく頑張ってるわ。力を付けてきたのもあるけど、先週は外枠もよかった。気持ちよさそうに走ってたよ。

──4コーナーの手応えは抜群でした。

小牧 いつもいい感じで回ってくるんやけどね。本当に一生懸命に走る馬やから、どうしてもゴール前で脚が鈍ってしまう。だから、800mがあればなぁなんて思ったりして(笑)。2勝クラスの小倉のダート1000mはもうないから、このあとは放牧に出るらしいよ。次は10月の新潟やね。芝の直線1000mでもやれることがわかったから、楽しみに待っとくわ。

──さて、先週は一時代を築いた名伯楽、伊藤雄二元調教師の訃報が。小牧さんにとっても、キーパーソンといえる方でしたよね。

小牧 そうやね。曾和厩舎に馬を入れてくれたりして、園田時代からすごくお世話になった方です。JRAに移籍するために年間20勝せなアカンというときも、力を貸してくださって。

──当時、伊藤雄二厩舎のセンターアンジェロやオリサーバで勝ち星を挙げていましたね。

小牧 懐かしいなぁ。中央に移籍したあと、最初に手伝わせてもらったのも伊藤雄二厩舎や。笹田(和秀調教師)さんがまだ助手の頃でね。それほど数は乗っていないけど、先生が引退された2007年まで、毎年いい馬に乗せてもらいました。

──伊藤雄二厩舎の最後のレースとなった中山記念(メイショウオウテ12着)も、小牧さんの手綱でした。

小牧 ああ、そうやった、そうやった。本当にお世話になりました。

太論

▲伊藤雄二厩舎最後のレースで手綱をとったメイショウオウテ(写真は2006年東京新聞杯出走時・撮影:下野雄規)


──伊藤雄二調教師といえば押しも押されもせぬトップトレーナーだったわけですが、小牧さんの目に映る先生はどんな方でしたか?

小牧 僕が知っている先生は、怒らず、騒がず、紳士的な人という印象です。僕と同じで食べることが大好きな先生で、何度か食事にも連れて行ってもらいました。グルメな人やったね。伊藤雄二厩舎で出会った笹田さんには今でもお世話になっているし、僕は息子の強くんとも友達。

 今でも先生を通じてできた縁が続いていることを思うと、間違いなくキーパーソンのひとりです。もっと遡れば、園田に移籍してきたシャワーパーティーにも乗せてもらって、今でもシャワーパーティーの馬主さんとの縁は続いているからね。

──シャワーパーティーのオーナーといえば、ウイニングチケットやロイヤルタッチのオーナーでもある太田美實さんですよね。

小牧 太田美實さんはもう亡くなってしまったけれど、奥さんの珠々子さんも馬主さんで、所有馬のドルチェリアには今でも乗せてもらっているからね。

太論

▲15回タッグを組んでいる長年のパートナー、ドルチェリア(ユーザー提供:ぬんぬさん)


──あ、ドルチェリアのオーナーさん。

小牧 そうそう。本当にありがたいです。この前の住吉さんもそうやけど、近しい人の訃報に触れるたび、だんだんみんな年を取ってきたんやなぁと思うわ。なんせ自分がもう54歳やからね、当たり前といえば当たり前なんやけど。人生はあっという間や。本当に早い。好きなことしとかなアカンで。

──本当にそうですね。ところで、伊藤雄二先生の弔問には行かれるんですか?

小牧 本来ならば、お線香をあげに行きたいんやけど、今はなかなか動かれへんでしょう。年配の方がいるお宅には、よう行かれへん。なので、お花だけ送らせてもらいました。長いあいだ、本当にお世話になった方やからね。いつか必ず「ありがとうございました」と伝えに行きたいです。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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