【キーンランドC予想】名門ファミリーの能力を引き出す父系
重賞の舞台で能力全開なるか
前走の青函Sで、今回も対戦するジュビリーヘッドを完封して勝った4歳ヴァトレニ(父グラスワンダー)は、初の芝1200m、格上がり初戦だった。
今回の最内枠は必ずしも有利ではないが、先週の札幌記念が内枠の先行馬同士の決着だったように芝コンディションは悪くない。芝1500mに現レコードの1分27秒3を保持するのを筆頭に、夏の北海道シリーズの洋芝【4-0-0-0】である。
ヴァトレニの牝系ファミリーは名門。3代母ウイニングカラーズは1988年のケンタッキーダービー馬(2着フォーティナイナー)であり、母チアフルスマイル(父サンデーサイレンス)は、2006年第1回のキーンランドCの勝ち馬。
グラスワンダーから出発する父系は、優れた能力を伝えるのはもちろんだが、直仔スクリーンヒーローの場合は名牝ダイナアクトレスが祖母。さらに孫世代のモーリスは4年連続GI勝ちのメジロドーベルがいる伝統のメジロボサツのファミリー。配合牝系の秘める可能性を引き出す父系でもある。
種牡馬モーリス(産駒シゲルピンクルビー)。その父スクリーンヒーロー(産駒ジェネラーレウーノ、マイネルジェロディ)。さらにその父グラスワンダー(産駒ヴァトレニ)と連なる父子代種牡馬の父系は、みんなGI勝ち馬であり、孫世代のモーリスも、スプリンターズSの牡馬ピクシーナイト、シャトル先の豪州でも牡馬2頭のG1馬を送っている。
これでグラスワンダーの直父系は、父子4代連続GI制覇を達成したサイアーラインとなった(グレード制導入の1984年以降)。遠い時代の日本の父系はビッグレースを勝っても進展、連続した例がなく、日本で初の連続記録と思える。
ヴァトレニのパワー兼備のスピード能力全開に期待したい。3歳ウインマーベル本線。穴馬には洋芝向きのメイショウミモザ、ヴェントヴォーチェを加えたい。
「新潟2歳S」は、小倉、新潟、福島、函館、笠松、東京での勝ち馬に、未勝利馬も加わる不思議な組み合わせで、1600mになって以降史上最少タイの11頭立て。先行するはずのグラニットから入る。父ダノンバラードは、芝の稍重〜重馬場【2-1-1-1】だった。