昨年は12番人気マイネルファンロンが優勝(c)netkeiba.com、撮影:橋本健
新潟記念は夏開催の最終日に行われるようになった2012年以降、10回のうち6回をトラックバイアス「内有利」もしくは「超内有利」と判定している。
新潟芝外回り全体の傾向では、外有利率が高い。昨年の当レースもトラックバイアスは「超外有利・差し有利」と判定。8枠の1、2着。6着までが6枠より外。4着までが二桁位置取りだった。
今夏、3回新潟芝外回りも馬場状況としては外有利。先週日曜に古馬混合の新潟芝外回り1800mで行われた7Rでは2枠から逃げたサザンナイツが7番人気で1着。2着のサイルーンも1枠。続く9Rでも1着馬、3着馬は8枠だったものの、2着のアトリビュートは1枠だった。
このようなトラックバイアスが発生するのは「人の意識」が大きい。
騎手含む陣営が外差しの馬場を意識すると、ペースやコース取り自体がそれまでと変化する。
たとえば、極端なスローペースや大逃げでペースが乱れることによって、後方からでは物理的に届かないレース。インコースを避け馬群が外側に寄ることによって、相対的に内を通った馬が恵まれるレースが発生する。実際の馬場状況通りに決着しないケースが増えてしまうのだ。
一昨年の新潟記念を振り返ると、全馬が内を避けて直線では外ラチ沿いに馬群が寄っていく極端なレースになったが、このレースもトラックバイアスは「内有利」と判定。外を通り続けていた馬はパフォーマンスを落とし、相対的に内を通った馬が恵まれていた。先週の新潟芝の馬場状況もこの時に近い。
今年は週中、週末ともに不安定な天気予報。
当日がどのような馬場コンディションになっているのかを予測するのは困難だが、このレース自体のトラックバイアスは内有利になりやすいことを重視。器用な立ち回りができる馬を狙いたい。
前走の七夕賞で重賞初制覇を果たしたエヒト(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
エヒトの前走七夕賞はトラックバイアス「内有利・ 」。当時の福島芝は内を通る馬、もしくは先行が有利になりやすい状況。有利とは言えない大外枠からの完勝だった。前走は軽ハンデ、人気薄だったが、決して恵まれたわけではない。
今回想定される馬場状況を考慮すると、小回りでも早めに進出できる機動性は武器になるだけに、ここでも再度期待できる。
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