▲ベレヌスとサマーマイルチャンピオン目指し京成杯AHへ!(c)netkeiba.com
中京記念で逃げ切り勝ちを収めたベレヌス。鞍上の西村淳也騎手は昨年の金鯱賞・ギベオンに続き、逃げての重賞制覇となりました。ベレヌスのスタートの速さを生かしたレースでしたが、西村騎手はデビューの頃からスタートをとても大切にしてきたジョッキー。その根底にはどんな思いがあるのでしょうか。
ベレヌスは次走の京成杯オータムハンデを勝てば、サマーマイルシリーズ優勝も見えてきます。そこに向けて、いまの心境を伺いました。
(取材・構成:大恵陽子)
自然とハナへ行った中京記念
──中京記念おめでとうございます。
西村 ありがとうございます。
──レース前はどのようなプランを立てていましたか?
西村 ゲートさえすんなり出られれば、ハナに行こうと思っていました。その通りにゲートもスムーズに出てくれて、無理をすることなく逃げられました。
──内からベステンダンクも主張してきていて、同馬とは昨年のリゲルSで一緒に走り、ベステンダンクが逃げ、ベレヌスが2番手。今回は位置取りが逆でした。
西村 今回はスムーズにゲートを出て、リズムよく行ったら自然とハナが取れた感じで、特段逃げたいとは思っていませんでした。
▲馬のリズムに合わせた結果、自然と逃げの形に(c)netkeiba.com
──中京記念と同じ距離で行われた同日8Rでもテーオーシリウスで逃げ切り勝ちを収めていましたが、この日の小倉の馬場はどう感じましたか?
西村 時計も速いですし、前も止まらない印象でした。ただ、乗っている馬がそういう戦法の馬でしたし、能力もある馬に乗せてもらっていたので押し切れたという感じもありました。
「今の日本の競馬で、スタートは意識しています」
──西村騎手は2018年にデビューし、減量を卒業してからもコンスタントに年間50勝以上をマークし、今年はすでに47勝とキャリアハイを更新する勢いです。
西村 まだまだ勝ち切れていないレースもありますし、もっともっと勝たないといけないなと思います。
──デビューから一番変わったところは何ですか?
西村 勝ちたい意欲ですかね。日に日にずっと増しています。
──デビュー時から気持ちの強いジョッキーという印象でしたが、より強くなっていますか?
西村 勝てるジョッキーと思われたいですし、やっぱり勝ちたいですね。
──昨年、ギベオンで金鯱賞を勝って重賞初制覇をしましたが、そちらも逃げ切り勝ち。デビュー時からスタートを大切にしてきた姿と重なる部分があります。
西村 いいスタートが切れれば、いいポジションが取れます。今の日本はある程度ポジションを取っておかないと勝てないレースが多いので、スタートは意識しています。
──19年と昨秋はフランスへ武者修行に行きました。変化は?
西村 毎日がいい刺激で、日本では味わえない経験もあって、海外は行くべきだなと個人的には感じました。帰国してからもフランスの競馬はよく見ています。
▲これからもスタートを大切に(写真はギベオンで制した2021年金鯱賞・撮影:高橋正和)
──さて、話をベレヌスに戻しますが、これまで多くのレースでコンビを組んできた中で感じる長所はどこですか?
西村 いつも真面目に一生懸命走ってくれるところです。毎レース一生懸命走ることはなかなかできないことでもありますし、感謝しています。また、初めて乗った3歳の時からゲートが速くて、この子の武器はそこもあります。
──次走は京成杯オータムハンデの予定で、200m距離短縮で中山のマイルとなりますが、どんなイメージを持っていますか?
西村 イメージとしては悪くありません。中山でもこの子の競馬はできると思いますし、まだゲート内での駐立が難しいところがたまに見受けられますけど、それでもゲートも二の脚も速いので、すんなりいい位置を取れると思います。
──重賞連勝へ期待が高まりますね。
西村 サマーマイルシリーズの優勝も目指せる位置にいるので、なんとかベレヌスと京成杯オータムハンデで勝利を挙げて、サマーマイルシリーズのチャンピオンになれればなと思います。
(文中敬称略)