注目したい日本の芝主流血統とヴァイスリージェント系の血を強化した配合馬

　阪神芝2000m重賞は、日本の芝主流血統(サンデー系かキングマンボ系)にヴァイスリージェント系の血を強化した配合馬が走りやすい舞台。この傾向はずっと続いています。(出走馬の系統、国別血統タイプはスマート出馬表(無料)を参照)

　昨年の秋華賞も勝ち馬のアカイトリノムスメは母母父がヴァイスリージェント系のソルトレイク。2着ファインルージュは母父がボストンハーバー。その母父はヴァイスリージェント。

　同コースGIの大阪杯。昨年の勝ち馬レイパパレは母父がヴァイスリージェント系のクロフネ。今年の勝ち馬ポタジェの母父オーサムアゲインもヴァイスリージェント系。今年のマーメイドSの2着馬マリアエレーナも父がヴァイスリージェント系のクロフネ。

　ヴァイスリージェント系は米国型ノーザンダンサー系。米国型は道中の追走スピードを強化します。逆に欧州型は追走スピードが速すぎると道中で消耗してしまいます。

　ただし、阪神芝2000mは米国血統だけを強化された血統馬が先行してスピードを持続し続けられるコースでもありません。ゴール前に抜け出す欧州指向の馬力も要求されます。(本場の欧州競馬に比べればそのレベルは大分低いですが)米国型ノーザンダンサー系は、他の米国型系統よりも欧州競馬で要求される馬力も兼ね備えやすい特性を持ちます。

　つまり、米国型ノーザンダンサー系。なかでもヴァイスリージェント系は阪神芝2000mは米国競馬で要求される追走スピードと欧州競馬で要求される馬力をほどよい塩梅で強化するので同舞台のキー血統になるのです。

　メモリーレゾンは母父が米国型ノーザンダンサー系でヴァイスリージェント系のノボジャック。父オルフェーヴルの産駒に同コースGI大阪杯を勝ったラッキーライラック。同馬も母父は米国型。当時の大阪杯もラッキーライラックを本命にしていたように、似たような血統。

　スタニングローズは母父がヴァイスリージェント系のクロフネ。父、母父は金子オーナーの所有馬。昨年の秋華賞を勝ったアカイトリノムスメ、大阪杯を勝ったポタジェ同様、父も母父も金子オーナー所有馬。金子オーナーはサンデー、キングマンボ、ヴァイスリージェントの日本適性の高さに着目。かつ代表産駒も所有していることは、ただただ尊敬するしかありません。

　ナミュールは母母父がヴァイスリージェント系のフレンチデピュティ。近親に世界の名馬マルシュロレーヌ。米国のダートG1勝ち馬。

　父はハービンジャーでマイル重賞勝ち馬。今年の秋華賞と同コースで行われた18年の大阪杯で6人気の人気薄で2着に走ったペルシアンナイトもマイル重賞実績があるハービンジャー。当時の大阪杯も、ペルシアンナイトを本命にしていたように似たような血統と戦歴。

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