先週の血統ピックアップ
・10/16 秋華賞(GI・阪神・芝2000m)
好位追走のスタニングローズが残り100mで先頭に立ち、ナミュール、スターズオンアースの追撃を抑え、初のGIタイトルを獲得しました。オークスは10番人気で2着でしたが、スターズオンアースの牝馬三冠を阻止したことで、世代を代表する強豪牝馬に上り詰めました。
父キングカメハメハはこの世代がラストクロップ。偉大な産駒成績を残してきましたが、これまで牝馬の三冠レースを勝ったのはアパパネとレッツゴードンキの2頭しかいませんでした。スタニングローズが3頭目で、秋華賞の勝利は2010年のアパパネ以来12年ぶりです。
牝系はローザネイを牝祖とする、いわゆる“薔薇一族”に属しています。このファミリーはこのところ活気に乏しかったのですが、スタニングローズにより復活を果たしました。GI勝利は2010年のジャパンC(勝ち馬ローズキングダム)以来です。2歳世代には未勝利戦を好内容で勝ち上がったチャンスザローゼスが控えているので、薔薇一族はさらに盛り上がっていきそうな気配です。
・10/15 府中牝馬S(GII・東京・芝1600m)
後方追走のイズジョーノキセキが内から馬群を縫って伸び、ゴール直前でソダシをとらえました。5歳秋にして重賞初制覇です。父エピファネイアは、エフフォーリア、デアリングタクト、サークルオブライフの父ですが、今年に入ってから重賞を一度も勝てず、昨年8位だった総合種牡馬ランキングも、今年は世代がひとつ増えたにもかかわらず10月14日時点で第12位と、成績を落としていました。
ただ、2歳戦は絶好調なので、これから年末にかけて浮上していく可能性が高いでしょう。「エピファネイア×キングカメハメハ」は、牝馬三冠馬デアリングタクト、京王杯SC2着馬スカイグルーヴ、エリザベス女王杯3着馬クラヴェルなどを出しています。決め手のあるタイプが多いので、直線の長いコースに向きます。
今週の血統注目馬は?
・10/23 甲斐路S(3勝クラス・東京・芝2000m)
東京芝2000mと相性のいい種牡馬はモーリス。連対率42.4%は、2012年以降、当コースで産駒が20走以上した55頭の種牡馬のなかで第1位。登録馬ラーグルフは関東馬ながら初めての東京戦となりますが、血統的適性は高いので期待できます。
今週の血統Tips
10戦全勝と無敵を誇ったイギリスのバーイードが、ラストランの英チャンピオンSで4着に沈むという衝撃的なニュースが飛び込んできました。ジョッキーのクローリー騎手は馬場を敗因に挙げました。雨の影響で馬場発表以上に重いコンディションとなり、力を出し切れなかった、と。父シーザスターズは現役時代、デビュー戦で4着と敗れたものの、その後は一度も負けることはありませんでした。つまり、父と息子の戦績は、ちょうど前後をひっくり返したような形となります。
今回のレースを最後に引退し、来春から種牡馬入りします。ラストランで敗れたとはいえ、それまでに積み重ねた10連勝が色あせるわけではありません。シーザスターズはまだこれといった有力な後継種牡馬を出していませんが、バーイードは硬い馬場を得意とし、シーザスターズ産駒らしからぬスピード能力がセールスポイントだったので、まず成功するのは間違いないでしょう。