
▲デビューから手綱を取り続ける松山弘平騎手にガイアフォースの強みを伺う(撮影:下野雄規)
菊花賞の前哨戦、セントライト記念で見事勝利したガイアフォース。鞍上の松山弘平騎手は同馬のデビューから5戦全てで手綱を取り、その成長を側で感じてきました。
新馬戦から高いポテンシャルを感じていたとのことですが、その直後に骨折が判明し復帰したのは半年後の3月、春のクラシックへの出走は叶いませんでした。しかし復帰後から大きな成長を感じていたとのことで、一気に重賞馬まで駆け上がり、遂にクラシック最終戦へ駒を進めます。
大舞台へ挑めなかった春の雪辱を果たすべく、相棒との最後の一冠へ意気込みを語ります。
(取材・構成=不破由妃子)
松山騎手がイメージする“勝つための競馬”
──セントライト記念で春の既存勢力を封じ込めたガイアフォースですが、デビュー5戦目とは思えない成熟したレースぶりでした。ずっと手綱を取っている松山騎手は、どんな手応えを持って臨まれましたか?
松山 前走をレコードで勝っていましたし、小倉の馬場と中山の馬場はまたちょっと違いはありますけど、比較的馬場状態も良かったですし、力を出せるんじゃないかなと思っていました。
──レースは、好スタートからゆっくりと中団の外目を取りにいきましたね。
松山 もともとスタートが速い馬なんですけど、前走もしっかり決まりましたし、枠順もよく、2番手の人気馬(アスクビクターモア)を見ながら進むことができて。目標にする形で競馬ができたのはよかったです。あとは、(初の2200mという)距離もありましたし、しっかりと折り合いをつけて。切れるというより、長くいい脚を使えるタイプなので、勝負どころで早めに動いて、目標を捕まえに行くという競馬をしました。
──4コーナーでムチを入れたのは、決して手応えが悪くなったわけではなく、「勝負に行くぞ!」というゴーサインだったのですね。
松山 そうですね。相手ももう絞っていましたし、早く捕らえに行ったほうがいいかなと。長くいい脚を使えるという強みを生かすために、早めにスパートしましたね。
──直線では、アスクビクターモアとの激しい追い比べに。一旦前に出られたところから差し返したように見えたのですが。
松山 それね、よく言われるんですけど、カメラワークの都合でそう見えただけだと思うんですよね。
── 実際は一度も前に出られていない?