いよいよ今週末に迫った天皇賞・秋。勢いのある3歳馬とそれを迎え撃つ強豪古馬との対決や、個性ある逃げ馬同士の戦いなど、魅力たっぷりな今年の秋の盾に、約3年ぶりとなる「ゆるい出馬表」が帰ってきました! ここでは血統や競走成績ではなく、性格やくせなどを普段の愛らしい姿をご紹介し、今年の出走馬たちの知られざる素顔に迫ります! 3年ぶりでも変わらず予想に役立つ情報はほぼありませんので、ゆる〜い気持ちでご覧ください。
※取材スケジュールの都合上、全頭ご紹介できませんが、ご了承ください。
(取材=美浦:藤井真俊、栗東:大恵陽子)
1枠1番 マリアエレーナ 牝4(栗東/吉田直弘厩舎)
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──西浦一法調教助手
フルネームで「マリアエレーナ」と呼んでいます。小柄で細いわりに食欲旺盛なので、強気な調教ができます。うちの厩舎はCウッドコースを1周乗って、2周目で追い切りをかけるので結構な距離を乗るんですけど、追い切り後でもカイバをガツガツ食べています。ハードトレーニングでもデビュー時から20kgくらい体が増えて、小倉記念を勝った時は状態も良さそうで輸送減りもしませんでした。
馬房でふなゆすり(左右にユラユラと体を揺らすこと)をして、本来は悪癖と言われるのですが、僕は「自主トレ」と呼んでいます。レース後にはスピードが速くなるんです(苦笑)。走ると素直で、手前を替えるのが上手。左手前から右手前に替えるのが上手すぎて、乗っていて分からない時があるほどです。26年この仕事をしていて、初めての経験です。
2枠2番 カラテ 牡6(栗東/辻野泰之厩舎)
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──清山宏明調教助手
「カラテ」と呼んでいて、馬房のネームプレートはあえて漢字で「空手」と書いています。530kgほどあって体は大きいですけど、気が小さいです。本来は気持ちが優しくて、ケンカが嫌いなんじゃないかな、と感じます。のび太のような、うーん、でも彼とはまたちょっと違う性格のようにも思います。プライドを守るための自己防衛で強さを見せることもあります。我の強さも見せますが、走り出すと素直な馬です。
2枠3番 パンサラッサ 牡5(栗東/矢作芳人厩舎)
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──池田康宏厩務員
「パンちゃん」「パンくん」と呼んでいて、矢作芳人調教師は「パン」と呼んでいます。札幌記念の時は函館競馬場で調教していたのですが、隣の馬房がジャックドールだったんです。ライバルが隣でビックリしたんですけど、担当の石川奨厩務員がとても優しくて、獣医さんの診察時に一緒に曳き手を持ってくれるなど、ええ男でした。
その札幌記念では早めにジャックドールに交わされて、逃げ馬ならそこで止めそうなものですけど、踏ん張って差し返して2着。パンくんの精神力には頭が下がります。
最近はお風呂が大好きになっていて、洗い場に入った瞬間から上機嫌です。若い時はシャワーが嫌いだったのに、今では顔にシャワーをかけてあげるとじっとして気持ちよさそうにしています。タオルで顔を拭く時も幸せそうな表情で、湯船に浸からせてあげたいと思うほどです。
僕もお風呂は好きで、毎週月曜日にはスーパー銭湯に行っているのですが、パンくんに「お前も中年になったな」と言ったら、「そっちはジジイやろ」みたいな顔をしていました。さあ、天皇賞・秋にはファンからいただいたお守りを全部持って行きたいと思います。
3枠4番 ポタジェ 牡5(栗東/友道康夫厩舎)