3歳のGI馬、キラーアビリティの期待値はいかに
この連載では、特定の1頭に関する話はなるべく書かないようにしている。その馬が週末までに故障で回避になった場合などに、内容が丸々無駄になってしまうからである。
しかし今回は皆さんも関心があるところだと思うので、アルゼンチン共和国杯に出走予定の3歳馬・キラーアビリティについて書いてみたい、今回唯一の3歳登録馬だ。
過去10年のアルゼンチン共和国杯に3歳馬が出走したケースは4例のみ。そしてその4頭は……すべて馬券に絡んでいるのだ。
これだけ書くとそそる話だが、もちろんそれ以前に馬券に絡まなかった3歳馬もいる。過去20年に拡大すると[2-2-3-7]で複勝率50.0%。回収率は単52%・複157%となる。
ただ、好走馬は前走オープン好走馬が多い。前走オープン5着以内馬(3〜5着は該当なしなので、実質的には前走1〜2着馬)は[2-1-1-0]で全員馬券に絡んでいるが、前走オープン6着以下は[0-0-1-4]。直近の事例であるレーヴミストラルは3番人気3着だったが、他の4頭はいずれも2ケタ着順に終わっている。この他に前走下級条件1着馬が[0-1-1-3]となっている。
難しいのは今回キラーアビリティが上位人気になりそうなことで、3番人気以内に推されていた馬は[2-1-2-1]。こちらだけ見れば買える話になりそうだが、6頭のうち4頭が前走オープン連対馬なので、そこにあてはまらないと強調材料にならない。
GI馬+過去10年だけ切り取れば崩れていないということで買いか、前走がダービーとはいえ6着というところを気にするか。本命党と穴党で意見は分かれそうだが、この馬の取捨が今回のポイントであることは間違いない。