
▲菅原明良騎手と清山宏明調教助手の特別対談(撮影:下野雄規)
いま注目を集める若手・菅原明良騎手。彼の重賞初制覇は昨年の東京新聞杯でカラテとのコンビでした。しかし、同馬は高橋祥泰調教師(美浦)の引退に伴い、辻野泰之厩舎(栗東)に移籍。関東から関西へ、手元を離れてしまう可能性もありましたが、関係者の想いから続投が決まると、新潟記念では初めて2000mで勝利を収めました。
1600mの印象が強かったカラテが、なぜ2000mで勝てたのでしょうか? キーパーソンの一人が、新担当となった元騎手の清山宏明調教助手。前所属先の角居勝彦厩舎では、キセキなど数多くの名馬を担当。騎手の後輩でもある菅原騎手に、「いい意味で田舎臭い」とエールを送ります。
そんなお二人、普段は美浦と栗東で離れていますが、リモート対談という形でじっくり語り合う時間が初めて実現。今回はその貴重な対談の前編です。
(取材・構成=大恵陽子)
「キセキ」「カラテ」3文字馬名以外にも類するところが
──カラテは今春、高橋祥泰調教師(美浦)の引退に伴い、関西の辻野泰之厩舎に移籍となりました。清山助手は移籍前のカラテにどんなイメージを持っていましたか?
清山助手 僕はキセキを担当していて、3文字で活躍する馬って今までなかなかいなかったと聞いたこともあって、名前からインパクトがありました。カラテは日本の武道が馬名になっていて、キンカメ系の黒光りする雄大な体で、ジョッキーのアクションにすごく一生懸命応えているところに惹かれる面がありました。
でも、辻野厩舎に転厩してくると聞いた時はまだ他人事のような感じで、その後に担当させてもらえると聞いて、ビックリしました。

▲清山助手はキセキを担当していたことでお馴染み(写真は19年フォワ賞・撮影:高橋正和)
──実際に担当してみて、カラテの印象は変わりましたか?
清山助手 一緒に過ごす時間を通して、大きな体のわりに繊細でびっくり屋さんだなと感じました。僕らの世界ではよくいるタイプなんです。それと、レースで生かされる部分として、我の強さはキセキにも類するところがありました。
菅原騎手 おっしゃる通り、僕も我の強さは感じています。ただ、僕よりも常に馬を触っている清山さんの方が、カラテのことを本当に分かってらっしゃるだろうなと思います。カラテはいま関西にいて、(美浦にいる)僕はあまり行くことができないのですが、その分清山さんを頼らせていただいていて、とても心強いです。
──清山助手は元騎手でもありますが、菅原騎手はどんなジョッキーだと感じますか?
清山助手 今どきの子らしくないというか。言葉は悪いんですけど“田舎臭い”っていうね。失礼な言い方なんですけど、不器用に見えるけど一つのことにすごく一生懸命になる子なんだろうなって思います。
カラテに携わることになってから、自厩舎の馬でなくても(菅原)明良くんのレースをよく見させてもらっていて、道中の位置や姿勢、タイミングだったりを自分に置き換えて見ているんですけど