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▲石神深一と藤岡佑介のリモート対談第1回
障害の王者オジュウチョウサンの引退が年末に控える今、パートナーであり障害のスペシャリスト石神深一騎手がゲストに来てくださいました。初騎乗の2015年6月から7年半もの期間をともに過ごしたオジュウチョウサンと石神騎手、第1回となる今回は人馬の出会いについて伺います。
レースで騎乗する以前から追い切りには何度も騎乗していたとのことですが、初対面の印象は良いものとは言えないそう。言うことは聞かない、ごねる、落とそうとしてくる、さらに佑介騎手も驚くような衝撃のわがままエピソードも…。
(取材・構成=不破由妃子)
オジュウの場合、ダートコースにわざわざ行って一度止まって…
──12月24日の中山大障害を最後に、オジュウチョウサンが引退。刻一刻とそのときが迫っているわけですが、石神さん、今はどんなお気持ちですか?
石神 毎日、オジュウの背中を楽しみながら調教しています。「あと1カ月しかこの背中には乗れないんだなぁ」とか、いろいろ思いながら。ちょうど1カ月後ですよね(この取材は、11月24日に行われました)。
佑介 オジュウチョウサンも、もう11歳。長い付き合いですもんね。
石神 年月もそうだけど、成績がね、ものすごいでしょう。そういう馬と、あとちょっとしか付き合えないことがわかっているわけで、そうすると、ちょっとこう…。動揺とはまた少し違うかもしれないけど、やっぱり胸にくるものがあるよね。
佑介 7年半もの間、1頭の馬と一緒に歩んできたなんて。一緒に走ったあの有馬記念(2018年)が、もう4年も前なんですからね。
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▲武豊騎手とのコンビで出走した有馬記念から今年で4年(写真は南武特別出走時・撮影:下野雄規)
──その有馬記念のお話なども追々伺っていきたいのですが、今日はですね、大一番を控えた段階ではありますが、石神さんとオジュウチョウサンの7年半を障害マニアの佑介さんとともに振り返っていきたいと思っています。
佑介 僕、障害大好きなんですけど、石神さんとオジュウについては、パトロールを見ながらちょっと話をしたくらいで、じっくり聞いたことがないんです。だから、今日は本当に楽しみで。さっそく最初に跨ったときの印象から聞いてみたいです。
石神 ファーストインパクトは、言うことを聞かない馬だなっていうのが一番だったな。
──2015年6月の東京ジャンプSの1週前くらいでしたっけ?
石神 いえ、山本康志さんが乗っている頃から、調教では乗せてもらっていたんです。そのときから乗り手の言うことを聞かない馬で、落とそうとしてくるし、坂路に行けって指示を出しても行かないし、チップに行けって言っても行かない。ごねちゃって、言うことを聞かないんですよ。
佑介 止まっちゃうんですか?
石神 止まっちゃったり、クルッと回って逆方向に走って行っちゃったり。とにかく自由気ままで、ホントに最初は難しかったよ。
──ご自身がレースで乗る前から、調教でオジュウの難しさを体感されていたんですね。
石神 はい。これはたまたまなんですけど