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気性の違いなの? 競馬界を盛り上げる“逃げ馬”について解説!「戦法をガラッと変えると…」

  • 2022年12月13日(火) 18時01分
太論

▲小牧騎手に乗り替わり、逃げで2連勝したサイモンラムセス(c)netkeiba.com


今週の『太論』は、ユーザー質問3連発!「外国人ジョッキーで一番目に付くのは誰ですか?」「逃げなくてはダメな逃げ馬と、逃げなくてもいい逃げ馬の違いはなんですか?」などなど、興味深いテーマが目白押し。また、その馬名とともに話題になったサワーホマレーの近況についても語ってくれました。

(取材・文:不破由妃子)

ウィリアムズはね、なんか知らんけど僕のことが好きやねん(笑)


──小牧さん、今日もよろしくお願いします。

小牧 お願いします。今日(月曜日)はもう映画を一本見てきたわ。

──えっ!? まだ11時ですが。

小牧 8時25分からの回を観てきた。

──早い…(苦笑)。

小牧 すごいでしょ。完全に朝型人間になってきたわ。今からスーパー銭湯に行って、夕方から家で飲み出して…。たぶん7時くらいには寝るな(笑)。

──規則正しいというかなんというか…。今日は何の映画を観たんですか?

小牧 今日観たのはね、ニノが主演の『ラーゲリより愛を込めて』。泣いた。ホンマに泣いた。むっちゃよかったよ。まだ観てない人のために内容は伏せるけど、泣きたい人には本当にオススメです。

──では、質問を3つほど。「小牧騎手、いつもコラムを楽しみにしています。今、外国人ジョッキーがたくさんきていますが、競馬を見ていて、一番目に付くジョッキー、印象的なジョッキーは誰ですか?」。

小牧 ああ、やっぱり(ライアン・)ムーアやね。あの追い込みが好きやわ。ムーアに限らず、外国人ジョッキーはみんなよう追ってくるよね。もう止まるのかな…と思うところから、持ってきよる。そこから伸びるもんね。さすが、世界の一流ジョッキーやなと思う。

──外国人ジョッキーと話をしたり、交流を持っていますか?

小牧 いや、最近はしてないね。なんせ、僕が競馬場にいる時間が短いから(苦笑)。でも、少し前まではよう喋ってたよ。(クレイグ・)ウィリアムズとかね。なんか知らんけど、彼は僕のことが好きやねん(笑)。嬉しそうに話しかけてくるわ。

──えーと、会話は英語で? それとも日本語?

小牧 僕はね、日本語を英語風に喋ってる(笑)。

──それは…日本語ですね(笑)。

小牧 そうです(笑)。あのね、なんとなく通じるもんやで。馬の話をするときは、通訳さんを介してちゃんと話をしているけどね。

──続いての質問です。「ジャックドールやパンサラッサなど、逃げ馬が競馬を盛り上げていますが、小牧騎手も逃げ馬での活躍がとても印象的です。お聞きしたいのは、同じ逃げ馬でも“逃げなければいい競馬ができない馬”と、“逃げなくてもいい競馬できる馬”の違いです。やはり気性面による違いなのでしょうか」。

小牧 逃げないといい競馬ができないのは、怖がりで怯む馬やね。馬に囲まれたり、かわされたりしたら、怯んでしまう馬。

──やはり、気性面の問題なんですね。

小牧 そうやね。ただ、サイモンラムセスは、怖がりとはまた違った。ちょっと気が悪くて、逃げたら気持ちよく走れるタイプやった。

──サイモンラムセスは、小牧さんが“逃げ”で活路を見出した馬。

小牧 能力があるのに勝ち切れんような馬は、戦法をガラッと変えると能力を発揮できるようになるパターンも多いからね。

──ニホンピロスクーロもそうですよね。

小牧 そうそう。あの馬はね、馬ごみに入ると、競馬を止めるんですわ。怖がっているとかではなくて、囲まれるのが嫌なんやろうね。「もう止める!」みたいになる。あとは、ただ単に速い馬。シルポートとかね。

──逃げなくてもいい競馬ができたタイプは?

小牧 キャプテントゥーレは、そういうタイプだったんちゃうかな。先週の香港マイルを勝った馬(カリフォルニアスパングル)なんかは、3コーナーまで逃げていたけど、外からこられたら一旦控えて、直線で盛り返して勝ったからね。そういう競馬ができる操縦性の高い逃げ馬もいるちゅうことやね。

──では、最後の質問です。「10月の終わりにサワーホマレーの登録が抹消されていました。応援していただけに残念です。園田に移籍とのことですが、また戻ってくる可能性もあるのでしょうか」。

小牧 ああ、今はまだちょっと脚元に不安が残っているから、金沢の小松牧場にいるけど、脚元がよくなったら、弟(小牧毅調教師)の厩舎に入る予定です。もうだいぶよくなっているみたいやけどね。園田で勝てれば、また中央に戻るという選択肢も生まれると思う。僕も思い入れのある馬やから、頑張ってほしいね。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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