▲福永祐一騎手、最後の有馬記念へ(撮影:下野雄規)
今月の8日、福永祐一騎手の調教師免許試験合格がJRAより発表され、来年2月いっぱいでジョッキーを引退することが報道されました。それに伴い、今年の有馬記念は福永祐一騎手にとって“ラスト有馬記念”となります。
コンビを組むのは今年の菊花賞をハナ差で2着だったボルドグフーシュ。初コンビとなりますが、追い切りには2週続けて騎乗するなど既に特徴を掴んだ様子。ジョッキーとして最初で最後の有馬記念制覇へ向け、意気込みを伺います。
(取材・構成=赤見千尋)
最後だからと言ってやるべきことは変わらない
──水曜日の最終追い切りを終えての感触はいかがでしょうか?
福永 一週前追い切りと最終追い切りの2回乗せていただいて、一週前追い切りでは強い負荷を掛けていっぱいに追い、当週は余力残しでサラッとという感じでした。どちらも予定通りの調教メニューを消化できましたし、動きの質的にもとても良かったです。
──実際に跨ってみて、ボルドグフーシュはどんな印象ですか?
福永 とても操作性が高いし、馬格があるので完全に馬が完成するにはもう少し時間が掛かるのかなというイメージはありますが、それでもいい動きをしていますね。将来も楽しみだけれど、現時点での完成度も高いと思います。
▲ボルドグフーシュの1週前追い切り(写真奥・撮影:井内利彰)
──見ていた時と乗ってみてのギャップはありましたか?
福永 馬格がある馬なので、見ていた時の印象ではもう少し鈍い部分があるのかなと思っていましたが、跨ってみると想像以上に素軽さがあって、鈍い面は一切ありませんでした。
──有馬記念に向けて、ポイントとなるのはどの辺りでしょうか。
福永 現時点ではスタートが早く出られないというウイークポイントがあるので、後ろから競馬をせざるを得ない状況になっています。
今後馬体が完成されていけばその部分も改善されるとは思いますが、レース中いろいろな選択肢を増やすためには、スタートを上手に出られるかどうかで全然違ってくるので、やはりスタートがポイントになると思います。
──テン乗りで、一発で、どう出すかというイメージはありますか?
福永 出遅れる馬には上手くゲートを出られない理由がそれぞれあるわけですが