今週末は有馬記念!
血統ビームを駆使した亀谷敬正の予想を重賞限定で公開!
鋭い着眼点に基づく見解は誰が読んでもタメになります。
以下よりぜひご覧ください。
亀谷敬正の予想を見るスローペースになると加速力に長けたスプリント血統は走りやすい
中山芝2500mはペースによって要求される能力の方向性が大きく変わるレース。30年以上前から「有馬記念はマイラーでも走れる」と言われるのは、スローペースになると加速力に長けたスプリント血統の影響を受けた馬が走りやすいから。一方で、ハイペースになれば、加速力はさほど重要ではなく、不器用なステイヤーでも走りやすくなります。この場合「マイラーでも走れる」という類の格言はまったく的外れになります。
過去5年のなかで大逃げをした馬がいてハイペースになったのは2021年と2019年。レース上がりがかかったことで長距離指向。イギリス寄りのスタミナと馬力の要素が強く問われました。
2019年の有馬記念は1人気がアーモンドアイ。東京芝のトップスピードは世界最強馬。しかしハイペースでステイヤーの資質が問われたため9着に。
圧勝したリスグラシューは父が芝3000m以上重賞でも実績を残すハーツクライ。母父がイギリス血統のアメリカンポスト。タフなレースに強いサドラーズウェルズとベーリングの組み合わせ。逆に同馬は東京芝GIは未勝利。
2着のサートゥルナーリアはサドラーズウェルズが母母父。父も欧州型。3着のワールドプレミアも母はタフな凱旋門賞に強いドイツ牝系。阪神の天皇賞春を勝ったステイヤー。1-3着はすべて東京GI未勝利馬。
昨年の有馬記念で前日に公開した最終予想の本命はディープボンド。結果2着。対抗のエフフォーリアが優勝。レース前にも書いたように2019年に近いレースパターンを想定したため。
エフフォーリアは父がエピファネイア。サートゥルナーリアの兄でサドラーズウェルズを持つ馬。ディープボンドも父キズナで母父が欧州型。ディープインパクト系のスタミナ型配合。この配合パターンはワールドエースに近く、実際ディープボンドも阪神芝長距離が得意。
昨年は、2019年に近い能力が問われるレースと想定。エフフォーリアを19年のサートゥルナーリア。ディープボンドを19年のワールドプレミアに近いタイプと見立てたわけです。
一方、ハイペースではない有馬記念は、芝短距離戦でも要求される加速力が問われます。マイラーと呼ばれるスピードも発揮しやすくなります。
有馬記念で求められる加速力が問われるケースでキーとなる血統は、ダンチヒ系、ヌレイエフ系。どちらも父系はノーザンダンサー系。スプリント王国のオセアニアでも結果を出している系統。
2017年は母父ダンチヒ系のクイーンズリングが8番人気2着。2018年は父ダンチヒ系のブラストワンピースが1着。2020年は母母父ダンチヒ系のサラキアが11番人気で2着。
同様にヌレイエフの血も好相性。2010年に14番人気3着、2011年9番人気3着のトゥザグローリーと2014年に9番人気2着のトゥザワールドは全兄弟。どちらも母の母父はヌレイエフ。ヌレイエフのクロスを血を持つ馬。
2020年に1着のクロノジェネシスも父の母父がヌレイエフ。母父のクロフネもヌレイエフ同様スプリントGI馬を出しているノーザンダンサー系。ノーザンダンサー系のなかでもスプリント力に長けた血を強化した配合。
このように、競馬は二度と同じレースはありませんが、似たようなパターンや傾向は存在すると思うのです。なお、筆者はAIを用いたレース分析も活用します。しかし競馬は不完全ゲームのため、AIを活用するには、競馬にパターンがあると信じること。(そう信じないとコストをかけられないので(笑))今書いているような手法で、競走馬やレースの性質を抽象化、タイプ分類することが重要になります。
さて、今年の有馬記念ですが、ハイペースの逃げで結果を出している馬はいないため、ハイペースにならない可能性が高そうです。血統のパターンも加速力に長けた血統を重視したいところ。
今年の出走予定馬で父か母父がヌレイエフ系かダンチヒ系の馬はジャスティンパレスのみ。
ジャスティンパレスの父は自身も産駒も有馬記念を勝っているディープインパクト。母の母父はロベルト系のレッドランサム。古くからロベルト系は有馬記念に相性が良く、ペースを問わず、ロベルト系を持つ馬の好走が目立ちます。冬の中山芝の路盤はロベルト系の馬力が問われやすいためです。昨年の勝ち馬エフフォーリアも父はロベルト系でした。
そのロベルトが父系で母父にダンチヒを配合された馬が、有馬記念を連覇したグラスワンダー。その血を継ぐスクリーンヒーローの産駒ゴールドアクターも有馬記念を優勝。特に馬場がタフでペースが緩む有馬記念ではダンチヒの加速力も兼ね備えたグラスワンダーの血を継ぐ馬に有利。
父系にグラスワンダーが配合されているのは、ボルドグフーシュとジェラルディーナ。特にジェラルディーナは母がジェンティルドンナ。スローでマイル指向のスピードも発揮できた2014年の有馬記念も優勝した歴史的名牝。
今年の有馬記念はヌレイエフ、ダンチヒの加速力を強く受け継いだ産駒の活躍に夢を託します。
著しい成績を挙げ、殿堂入り予想家となった亀谷敬正の有馬記念予想はレース当日までにウマい馬券で公開!
当コラムの次回更新は1月3日(火)19時予定です。