本来の中距離系ファミリーにもどった今なら
同じハンデ戦の「京都金杯」には、ハンデ57キロ以上の馬が実に13頭もいる(6頭が58キロ)。これは今年から平地戦で背負う負担重量が、多くのレースで基本的に1キロ増えたことと連動している。たまたま「中山金杯」はそうではないが、たとえば条件戦で定量の中山9Rは、大半の馬が58キロである。
この変更は大型馬有利とは限らない。欧州のビッグレースには小型馬も珍しくない。力強さ(体力)と、慣れの問題だとは思える。だが、馬体重520キロの馬と、410キロの馬の背負う同じ58キロは、馬体重と斤量のバランスだと、前者の斤量比率は「11%」であるのに対し、後者のそれは「14%」にもなる。だから小型馬は不利だという考え方はある。
中山金杯は12月の芝からみて、そう高速決着ではなくタフな内容になる可能性が高い。しぶとい6歳馬アラタ(父キングカメハメハ)に注目したい。
全5勝中の4勝が少し時計を要した右回りの芝。昨年のGII札幌記念2000mでは、今回と同じ57キロでジャックドール、ソダシなどの強敵相手に0秒3差4着の接戦だった。少々ジリ脚だが、今回の相手なら強気に自身でスパートできると思える。
母サンシャインの半姉は函館スプリントSなど1400m以下の重賞4勝のワンカラット。半妹は2016年の桜花賞馬ジュエラー。一見、スピード型が多い一族だが、輸入牝馬の祖母バルドウィナ(仏)の牝系はスタミナ色の濃いファミリー。その父ピストレブルーは凱旋門賞3着、芝2000m以上のG1〜2を5勝もしている。
ハーツクライ産駒の母サンシャインは距離をこなした。2000mの現3勝クラスを勝ち、稍重の愛知杯2000mを2着。本来の中距離系ファミリーに戻った印象がある。
「京都金杯」は、慣れない重い負担重量の馬が多いので、得意の左回りで軽量54キロなら、4歳牝馬プレサージュリフト(父ハービンジャー)の直線の強襲が狙える。クラシックで55キロをこなしている。