▲昨年大活躍の今村聖奈騎手にインタビューを実施!(c)netkeiba.com
2022年、新人騎手最多勝のJRA51勝を挙げた今村聖奈騎手。7月にはCBC賞で重賞初騎乗初制覇を果たすなど、女性騎手の枠を超え「乗れる新人」として強烈なインパクトを残しました。
活躍すればするほど期待と注目度は高まっていき、ひと言ひと言、きちんと思いを伝えていましたが、自分だけがフィーチャーされることで一時期は同期との間に溝も感じたと言います。
しかし、苦しい時も助けてくれたのもやはり同期。「それはそれでしんどいこともあると思う」と、背中を押してくれた同期との絆や、秋に入って伸び悩んだ勝ち星など、順風満帆なだけではなかったデビューイヤーを今村騎手が振り返ります。
(取材・構成=大恵陽子)
「早くまたGIで乗りたい」全然違う景色でした
──お正月らしく振袖でのご登場、ありがとうございます。
今村 あけましておめでとうございます。着物を着るのは初めてではないんですけど、すごく大人になった気分です。所属する寺島良厩舎のカラーが青と白なので、そのイメージが多いと思うんですけど、元々は赤色がすごく好きなのでイメチェンということで、赤の振袖にしました。
──勝負服でも寒色系の印象がたしかに強いかもしれないです。あとは、CBC賞を勝ったテイエムスパーダのピンク色とか?
今村 そうですね、そこからピンクのイメージもちょっとついて、自分でも慣れてきたかもしれないです。ピンクは小さい頃から一番避けていた色で、競馬学校生の頃から白が好きで白い服をよく着ていました。一番汚す性格なのに(笑)。一度だけ3年生の時に気分転換で赤のダウンを着たんですよ。そしたらみんなから「何があったんや」って心配されました。
▲実は赤が大好きとのこと(c)netkeiba.com
──さて、昨年を振り返っていきたいのですが、直近では12月28日にホープフルSでスカパラダイスに騎乗し、GI初騎乗となりました。GIの舞台はどうでしたか?
今村 これまで何度も寺島先生や父(今村康成 元騎手、現調教助手)について行ったり、競馬学校生の時に自ら足を運んでGI競走を肌で感じることはあったんですけど、実際に乗せていただくと、全然違う景色でした。
ホープフルSはスタンド前発走だったのでファンファーレもすごく聞こえましたし、何よりパドックでの緊張感ある雰囲気や、返し馬では1頭1頭がお客さんの前を通る時の歓声が特別で、レース後はすぐ「早くまたGIに乗りたい」「またこの雰囲気を自分の肌で感じたい」と思えるような初体験をさせてもらいました。
▲昨年末、ホープフルSでGIに初騎乗(ユーザー提供:銭形おじさんさん)
──中山競馬場での騎乗は約1年前、競馬学校生時代の模擬レース以来でしたね。
今村 あの時は2着、2着でした。模擬レースではクジ運の悪かった私が珍しく勝てる可能性のある馬を抽選で引いて、みんなからも「勝つやろ」と言われる中、自信満々に乗ったら(角田)大河に差されて負けたんです。めちゃくちゃ悔しい思いをしたイメージがありました。