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【戸崎圭太騎手】3戦3勝で相性抜群! AJCCで重賞初挑戦エピファニーの課題は?「このまま前向きな感じで」

  • 2023年01月15日(日) 18時01分
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▲戸崎騎手の今年の目標とエピファニーについて伺います(撮影:下野雄規)


昨年はMVJに輝いた戸崎圭太騎手。今年は既に2023年最初の重賞・中山金杯を制するなど今年も活躍ぶりが目立っています。そんな戸崎騎手はこれまで3戦コンビを組み全て勝利を挙げているエピファニーとAJCCへ挑みます。

エピファニーは目下4連勝中で今回が初の重賞挑戦となりますが、戸崎騎手はここまでの活躍は想定内だと言います。明け4歳となった今年はイクイノックスやドウデュースといった同世代に追いつくため、エピファニーが乗り越えるべき課題と戸崎騎手自身の課題も話してくれました。

(取材・構成=佐々木祥恵)

「これだけ連勝するというのは能力がなければできない」


──エピファニーは現在条件戦を4連勝中ですが、未勝利戦を勝ち上がった時からこのくらい活躍できる素質を感じましたか?

戸崎 感じていました。ただ過去のレースを見ても実際に跨ってみても気分を害すとどうなのかなとは思っていましたし、乗り難しさといいますか、気性に難しい面があるとも感じていました。

──その難しい面が道中行きたがるあたりに出ているのでしょうか?

戸崎 そうですね。行きたがってそのままの感じで走ってしまうと、最後に耳を絞って反抗したりもしますね。

──未勝利戦を勝った時も強かったですが、そういう面があったのですか?

戸崎 はい。強さは見せているのですけど、直線で抜け出してから先ほど言ったように耳を絞っていて気持ち良く走っていないなと感じました。

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▲強さは見せているが、気持ち良く走っていなかった(撮影:下野雄規)


──1勝クラスの時ではレーン騎手が騎乗して、2番手から途中で先頭に立ってそのまま押し切りました。

戸崎 元々が行きっぷりとても良い馬ですから。ただあまり逃げてほしくないなとは思いましたけど。

──そのようなレースの後はさらに乗り難しくなりそうですが、2走前、前走はいかがでしたか?


戸崎 行きたがってはいるのですがうまく我慢してくれていましたし、その2戦は気持ち良く走ってくれていたと思います。まだ心配な面はありますけどね。

──行きたがる馬を折り合わせるためのポイントはありますか?

戸崎 我慢させながら気持ち良く走らせることですね。でも外国人ジョッキーのようにしっかり前を抑えて折り合わせることができなくて、自分の乗り方はどちらかというとごまかしているんですよね。

──ごまかしている?

戸崎 はい、ごまかしているだけなので、何かあった時に対応できるかというと微妙なところなんです。外国人ジョッキーはしっかり抑えて乗っているので、何かあっても対応できると思うんです。でも僕のようにごまかしてなだめる乗り方だと、対応にも限度がありますし、それではダメだと感じています。

──これはエピファニーに限らず他の馬にも通じることだと思いますが、そのあたりが今後の課題になりますか?

戸崎 はい、僕自身の課題です。

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▲自身の課題はごまかさずしっかり抑えて折り合わせること(撮影:下野雄規)


──エピファニーはこれまで1800mで走ってきましたが、今回は2200mに距離が延長します。そのあたりはいかがですか?

戸崎 距離延長は問題ないと思いますね。道中しっかり楽をさせて気分良く走らせてあげれば、おのずと距離は持つと思います。

──前走後も未勝利戦後と同様に「まだ緩さがある」とコメントしていらっしゃいましたが、改善点などはありますか?

戸崎 この後の成長で体もしっかりしてくるのではないかと思っています。今まで楽なレースしか経験していないので、揉まれる競馬にも対応しなければならない場面が出てくると思うんですよね。そういう時に引っ掛からないなど、精神的な部分の課題がこの馬にはあると思っています。

──エピファニーのようにレースで行きたがる馬を調教する時に注意していることはありますか?

戸崎 自分の重心が後ろになるとそこから修正がきかなくなったりしますので、馬と引っ張り合いにならないように乗るようにしています。

──馬と引っ張り合って喧嘩せず、先ほども仰ったように我慢させながらも気分良く走らせるということですね?

戸崎 そうです、そうです。

──エピファニーの1番の強みはどこでしょう?

戸崎 背中も良いですし、走る馬のフットワークをしています。パワーもバネもありますね。

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▲「走る馬のフットワークをしている」(撮影:下野雄規)


──同世代にはイクイノックスやドウデュースなど活躍馬が多くいますが、今後のエピファニーへの期待のほどはいかがでしょう?

戸崎 これだけ連勝するというのは能力がなければできないので、このまま順調に肉体的にも成長していって、精神的な部分はおかしな方向に向かないようにですね。後ろ向きになると修正が大変なタイプだと思いますので、このまま前向きな感じでいってくれればと思っています。

──それでは最後に戸崎騎手自身の今年の抱負をお願いします。

戸崎 昨年は136勝できましたので、137勝を目指したいです。それと昨年はGI勝ちがなかったので、GIレースで優勝したいと思っています。

(文中敬称略)

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