フェブラリーSで3度目の対戦が実現か
レモンポップが重賞初制覇(C)netkeiba.com、撮影:下野雄規
初重賞制覇を達成した5歳牡馬レモンポップ(父Lemon Drop Kidレモンドロップキッド)はこれでダート【7-3-0-0】となり、半馬身差2着の6歳牝馬ギルデッドミラー(父オルフェーヴル)は、ダートに方向転換して【2-2-0-0】。ともにまだ連対パーフェクト。
ここに至るまで、距離ベストは今回の1400mと陣営も認めるレモンポップのGIフェブラリーS挑戦は流動的ではあるが、これで対戦成績1勝1敗。ともに小差。3度目の対戦が実現すると、フェブラリーSでの対戦は盛り上がる。
春シーズンにはサウジアラビア、ドバイでのビッグレースがあるので、ダート界のチャンピオン級がフェブラリーSに集結するわけではないが、今年のフェブラリーSにはカナダの6歳牡馬シャールズスパイト(父Speightstownスペイツタウン)が、フェブラリーSでは初めての海外調教馬として出走してくる予定。2022年のBCマイル(芝8F)の小差2着馬。芝8FのG1勝ち星があり、ダート戦・AWコースでの経験もある。
今回の根岸Sダート1400m1分22秒5(レース上がり35秒9)は、ダートは馬場差が大きいので判断は難しいが、良馬場の根岸Sでは史上最速タイムだった。
勝ったレモンポップはスタートもう一歩。一瞬ヒヤリとさせたが、たちまち好位に押し上げると、途中で外からエアアルマスが動いたが、戸崎騎手は控えて5番手に下げる余裕があった。残り400m標識(1000m通過58秒5)あたりまで馬なりでスパートを待ったのは、圧勝した4走前の欅S1400m、3走前のペルセウスS1400mとほとんど同じ。欅Sの自身の1000m通過は60秒0、ペルセウスSのそれは58秒9なので、今回はずっと速いペースで進んだことになる。
それでしのぎ切ったから、自己最高の1分22秒5に結びついた。明らかに、欅S、ペルセウスSよりパワーアップしている。きついペースにもかかわらず、自身の上がり3ハロンはその2走とほぼ同じ35秒5だった。まさに1400mのスペシャリスト。
だが、自身は1000m60秒6で通過した1600mの武蔵野Sでは、上がり35秒0で前を行くバスラットレオン(ゴドルフィンマイルの勝ち馬)を捕まえながら、追い込んできたギルデッドミラーに34秒8の切れを繰り出されハナ差捕まっている。
ギルデッドミラーは、武蔵野Sよりずっと厳しいペースを追走しながら、今回も上がり35秒0で猛然と伸びている。フェブラリーSが武蔵野Sより楽なペースになる可能性は低く、どこまでレモンポップのスタミナが強化されるかだが、1600mではギルデッドミラーが優位に立ちそうに思える。
3番人気のテイエムサウスダン(父サウスヴィグラス)は、決して体調に不安があったわけではないが、直線で早めに失速してまさかの14着。今回はコンビの岩田康誠騎手が同日のシルクロードSのグルーヴィットとカチあったため、テン乗りのC.ルメール騎手へのチェンジ。死角などないと思えたが、岩田騎手とルメール騎手は、騎乗の流儀というか、御し方のスタイルがまったく異なるジョッキー。テイエムサウスダンの集中力が途中で切れてしまったのかもしれない。
伏兵評価のセキフウ(父ヘニーヒューズ)は、1600m1分35秒2の中身、1400m1分24秒1の内容から、4歳馬の上昇があれば好勝負もあるかと思えたが、好走と凡走の落差があまりに大きいタイプ。今回はインでもまれて戦意を喪失してしまった。