▲4日に行われた小倉最終騎乗セレモニーでの北橋元調教師と福永騎手(c)netkeiba.com
福永祐一騎手の引退特集。27年間のジョッキー生活をともにした仲間や、お世話になった師匠、陰で支えてこられたお母様など、縁の深い方々からのお手紙を紹介します。
祐一へ
先日、小倉での最後の騎乗を現地で見届けた。
最初は「無事に終われればそれでいい」と思っとったけど、やっぱり騎手だから、勝たにゃいかん。そんな日に上手いこと2つも勝てて、いい締めくくりになったな。なにより、たくさんのファンの方たちがきてくれてねぇ。その光景を見たとき、わしは本当にうれしかった。
お父さん(福永洋一元騎手)の落馬事故があったのは、お前が2歳半のとき。以来、「修ちゃん、修ちゃん」と懐いてきてくれてなぁ。北橋家の食卓には、当たり前のようにお前の席があったし、そんなふうにね、我が家の長男みたいな環境で育ってきたな。だから、今もそうだけど、お前はわしの子供みたいなものや。
わしが現役の頃は、調教師と所属騎手という関係を貫いたけれど、途中までは不安半分、期待半分で。たまにレースで暴走したり、そういうこともあったりして(笑)。そんな姿に胸を痛めながらも、一生懸命にお前を見てたよ。