
▲太騎手×加矢太騎手、親子対談第2弾!(撮影:桂伸也)
小牧太騎手・加矢太騎手による親子対談第2弾。今回は、加矢太騎手の子供時代に焦点を当て、障害専門のジョッキーとしてデビューするまでの心の変遷に迫ります。また、加矢太騎手に障害限定免許を勧めたのも父・太騎手の思いつきであり、いわく「親父はホンマによく閃く」。そんな太騎手の“最新の閃き”情報ほか、デビューから間もなく1年が経とうとしている加矢太騎手の心の変化が明かされます。
(取材・文=不破由妃子)
親父は本当によく閃く……何を考えているのかわからん(苦笑)
──息子が自分と同じ世界に進んで、こうして仕事の話をしながらお酒を酌み交わして。小牧さん、幸せですね。
太 そうやね。
加矢太 でも、いつか一緒に飲んだとき、親父に「幼少期は、人として(姉の)ひかりに期待してた。お前は母ちゃんの足の後ろに隠れているような子だったから、ひとつも期待していなかった」って言われた…(苦笑)。
──ひどい!
加矢太 子供の頃に同じことを言われたら傷ついていたかもしれないけど、大人になってから言われたので、そこまでショックじゃなかったですけどね。
太 ひかりはすごく足が速かったけど、加矢太の場合、なにが特出しているのか、全然知らんかったから。
加矢太 確かに、姉ちゃんのほうが目立ってたよね。
ひかり 私は早熟、加矢太は晩成。それだけのこと(笑)。
加矢太 姉ちゃんは走るのも速いし、ケンカも強いし…。俺、何度ボコられたことか(笑)。姉ちゃんに鍛えられたおかげで、こんなに打たれ強くなっちゃって。

▲「姉ちゃんに鍛えられたおかげで、こんなに打たれ強くなっちゃって」(撮影:桂伸也)
──そんな加矢太さんが、障害馬術で正真正銘の日本一になったわけですからね。お父さん、謝らなくちゃ。
太 ホンマやね。でも、10年以上前やったかな、初めて加矢太の大会を見に行ったんやわ。
加矢太 確か中学1年のときの鶴見緑地の大会やね。
太 そうやったかな。そこで初めて見て。そのとき、ほかの選手とは違うことをやって、優勝したんや。「あれ? こいつ何者や」と思ったもん。
加矢太 大げさ(笑)。親父が知らな過ぎただけや。
──ほかの選手とは違うことをやったというのは?
加矢太 決められた障害を順番通りに飛ばないといけないんですけど、内から攻めても外から攻めてもいいんです。で、内から回るのは難しくて、外から回るのは簡単なんですよ。だから、みんなは外を選ぶんですけど、そのときの僕は内から攻めることを選んで、勝負にいったんです。
太 それまでは、そこまで真剣に馬術に取り組んでいるとは思ってなかった。でも、あの大会の加矢太を見て、「これはすごいな」と思ったんや。そもそも、まさか馬の道に行くとは思わんかったけどね。

▲「まさか馬の道に行くとは思わんかった…」(撮影:桂伸也)
──でも、その2年後には、JRAの騎手免許試験を受けたわけですから。