スマートフォン版へ

【福永祐一×藤岡佑介】騎手としての“限界”──今だから後輩に伝えたい「佑介は自分にリミッターをかけてるやろ」 /第3回

  • 2023年02月22日(水) 18時01分
“with佑”

▲騎手としての“限界”について(撮影:桂伸也)


まさに絶頂期という今、惜しまれつつ引退を迎える福永騎手。一見して華やかに見える福永騎手の騎手人生ですが、30歳を過ぎた頃にはジョッキーとしての限界を感じていたとのこと。

そんな福永騎手は佑介騎手に「佑介は自分にリミッターをかけてるやろ?」と言葉を投げかけます。実際に30歳を越えてから限界を突破した福永騎手は、今の佑介騎手には当時の自分と重なる部分があるようで…。

(取材・構成=不破由妃子)

「俺もよくわかるよ、佑介の気持ち。でもね」


──福永さんの騎手人生を振り返ると、確かに周囲のバックアップがあっての恵まれたスタートだったかもしれませんが、その後には挫折も経験し、一念発起して「リーディングを獲る!」と公言して実際に獲り、デビュー23年目にしてダービー初制覇。その後、「スターホースに出会いたい」とモチベーションを語るなかでコントレイルに出会い、無敗の三冠を達成。そして、年間100勝記録を更新するなかでの調教師転身…。27年間の騎手人生を通して、なんかすごいものを見せてもらったような気がしています。

佑介 なんか小説みたいですよね。

祐一 漫画的な(笑)。

佑介 若い頃にいい馬に出会って、バーッと階段を駆け上がるのも華やかでいいですけど、やっぱり自分が一番充実しているときに、それまでの経験をすべて注ぎ込める馬が出てくるというのは、一番いいシチュエーションですよね。同じジョッキーとしては、すごく憧れます。

祐一 晩成がいいよ、佑介。だって俺、30歳を過ぎたあたりで、一度本気でジョッキーを辞めようとしたからね。

佑介 北橋先生と瀬戸口先生が相次いで引退したあたりですね。

祐一 うん。でも、友人から刺激をもらってマインドチェンジできて、あとは結婚(2013年)したことによる妻からの刺激も大きかった。今思うと、自分のマインドが変わったことで、周りの環境も変わっていったんだよね。自分で勝手に「ここまでだ」と決めつけていた自分の可能性のリミッターを、周りの人が外してくれたから。そこから成長していけたように思う。

佑介 ずっと祐一さんを見てきて、なんかわかるような気がします。

祐一 自分一人の考えでやっていたら、俺は30歳の時点で止まってた

続きはプレミアムサービス登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

質問募集
with 佑 / 藤岡佑介
このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。あなたから
コラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。
質問フォームへ
with 佑とは
JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング