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【福永祐一騎手の右腕】バレット坪田幸子さんインタビュー「こんな不自由なバレットを雇い続けてくださった優しさ」(後編)

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  • 2023年02月28日(火) 18時03分
yuichi

▲福永騎手のバレット、坪田幸子さん(撮影:桂伸也)


25日のサウジアラビアで、ラストライドを終えた福永祐一騎手。2鞍に騎乗し、最終騎乗は3着。勝利とはいかなかったものの、翠夫人も見守る中で、無事に騎手人生に幕を下ろしました。

27年間の騎手人生の中で、実に16年という長い間バレットを務めた坪田幸子さん。福永騎手の唯一無二の右腕として、厚くサポートしてきました。

大反響のお手紙コラムに続いては、坪田さんのインタビューを通して、福永騎手の素顔や騎手人生の中で見せた様々な変化に迫ります。ラストには、福永騎手ご本人から坪田さんへの感謝のメッセージも!

(取材・構成=不破由妃子)

この潔さこそ祐一さんだなって、らしいなって


 最近、いろいろなメディアで取り上げられていますが、祐一さんが調教師試験に向けての勉強を始められたのは、昨年の1月とのこと。私は何も知らなくて、6月頃、いつも通り“勝ち袋”を発注してしまったんです。

 “勝ち袋”というのは、勝ったときのサイン入りゼッケンを馬主さんにお渡しする際、そのゼッケンを入れる袋で、ジョッキーのみなさんそれぞれにオリジナルで作っているんです。ある程度まとまった数を発注するので、祐一さんオリジナルの勝ち袋が大量に残っている状態です…(苦笑)。

 というのは、ちょっとした裏話で、祐一さんはそれくらい慎重に進めてこられたということ。私が試験を受けることを知ったのは、ネットで出回っていた噂話が最初ですから(笑)。

 知ったときは「ついに!」と思ったのと同時に、このタイミングというのは祐一さんらしいなと思いました。

 最近、とくに去年あたりは若手の勢いがすごくて、実際に若手ジョッキーがたくさん勝ちましたよね。検量室の中にいるとわかるんです、時代がまたひとつ動くのかなという風向きの変化を。

 とはいえ、それでも絶対に勝てるのが福永祐一という人。実際、まだまだいい馬の依頼があって、ご自身もまだまだ乗れる。全場GI制覇などまだ達成していない記録も、数年で達成できる可能性が十分にある。でも、このタイミングでステッキを置くことを選んだ。この潔さこそ、祐一さんだなって、らしいなって本当に思いました。

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▲このタイミングというのが祐一さんらしいと思う(撮影:桂伸也)


 あとはやはり、家族思いであること。一昨年の12月には香港での落馬もあり、いいときに辞めようという思いもひとつの理由なのかなと感じました。祐一さんは本当にご家族を大事にされていて、その思いを隠さない方でもあります。

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1976年12月9日、滋賀県生まれ。父は元JRAジョッキーの福永洋一。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。2005年にシーザリオでアメリカンオークス制覇。2018年にワグネリアンで日本ダービーを初制覇。2020年にはコントレイルと無敗でのクラシック三冠を達成。2023年2月末でジョッキーを引退、調教師へと転向する。

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