圧倒的支持を受けて2歳牡馬チャンピオンに選出された馬が今季初めて参加するレースとは
G1ケンタッキーダービーに向けた必見のアメリカ競馬
2月最後の週末は、中東のリヤドを舞台に開催された世界最高賞金競走のG1サウジC(d1800m)でおおいに盛り上がったが、3月最初の週末はアメリカに世界の競馬ファンの熱い視線が注がれることになりそうだ。
ケンタッキーダービーの開催を2カ月後に控えて、昨年の全米2歳牡馬チャンピオンのフォルテ(牡3、父ヴァイオレンス)が、4日にフロリダ州のガルフストリームパークで行われるG2フォンテンオヴユースS(d8.5F)で、今季初めてファンの前に姿を現すのである。
LRインディアナグランドS(芝8F)勝ち馬クイーンカロラインの初仔で、キーンランド9月1歳市場にて11万ドル(当時のレートで約1216万円)という、後のチャンピオンホースとしては実にお手頃な価格で購買されたのがフォルテだ。
トッド・プレッチャー厩舎から2歳5月にデビュー。ベルモントパークのメイドン(d5F)を7.3/4馬身差で快勝して初戦勝ちを果した後、サラトガのG3サンフォードS(d6F)では4着に敗れたが、次走は強気にサラトガのG1ホープフルS(d7F)に挑み、ここを3馬身差で制してG1で重賞初制覇を成し遂げた。
その後は、キーンランドのG1ブリーダーズフューチュリティ(d8.5F)、同じくキーンランドのG1BCジュヴェナイル(d8.5F)を連勝。エクリプス賞の投票では、246票中の243票を集めるという圧倒的支持を受けて、2歳牡馬チャンピオンに選出された。
ブリーダーズC後は、ケンタッキーにあるストーンストリート・ファームに放牧に出された後、1月に入るとプレッチャー厩舎の冬季の拠点となるフロリダ州のパームビーチダウンズに移動。2月に入ると本格的な時計を出しはじめ、復帰戦に向けて調整されてきた。
フォンテンオヴユースSでは、過去5戦すべてで手綱をとってきたアイラッド・オルティス・ジュニアが騎乗予定だ。アケダクトのG1シャンパンS(d8F)勝ち馬で、G1BCジュヴェナイルは4着だったブレイジングセヴンス(牡3、父グッドマジック)、2月4日にガルフストリームパークで行われたG3スウェイルS(d7F)を制し重賞初制覇を果したゼネラルジム(牡3、父イントゥミスチフ)、同じく2月4日にガルフストリームパークで行われたG3ホーリーブルS(d8.5F)勝ち馬ロケットキャン(牡3、父イントゥミスチフ)らが相手となる見込みである。
G2フォンテンオヴユースSはケンタッキーダービーの出走権を巡るポイント指定競走で、1着50点、2着20点、3着15点、4着10点、5着5点が設定されている。同じ4日(土曜日)には、ニューヨーク州のアケダクト、カリフォルニア州のサンタアニタでも、ケンタッキーダービーポイント指定競走が組まれている。
アケダクトで行われるG3ゴーサムS(d8F)には、1月7日にアケダクトで行われたLRジェロームS(d8F)勝ち馬ルガンナイト(牡3、父ゴールデンセンツ)、1月28日にフェアグラウンズで行われた一般戦(d6F)を9.3/4馬身差で圧勝し、デビュー2連勝を飾ったアイイングクローヴァー(牡3、父ルッキンアットラッキー)、12月17日のG2ロスアラミトスフューチュリティ(d8.5F)2着後、B.バファート厩舎からT.ヤクティーン厩舎に転厩しての参戦となるカーメルロード(牡3、父クオリティロード)らが出走の構えを見せている。
一方、サンタアニタで行われるG2サンフェリペS(d8.5F)には、G2ロスアラミトスフューチュリティ勝ち馬プラクティカルムーヴ(牡3、父プラクティカルジョーク)、G1BCジュヴェナイル3着馬で、これもB.バファート厩舎からT.ヤクティーン厩舎に転厩しての参戦となるナショナルトレジャー(牡3、父クオリティロード)、2月11日にゴールデンゲートで行われたLRエルカミノリアルダービー(AW9F)勝ち馬チェイスザケイオス(牡3、父アスターン)らが出走を予定している。
5月6日にチャーチルダウンズで行われるG1ケンタッキーダービー(d10F)を占う上で、今週のアメリカ競馬は必見と言えそうである。