スマートフォン版へ

【#3】医師から告げられた“命の危険” 「神様、どうか子供たちの笑顔を奪わないでください」

  • アプリ限定
  • 2023年05月07日(日) 18時01分
shirahama

▲神様、どうか子供たちの笑顔を奪わないで… (提供:白浜由紀子)


障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、昨夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。

信頼できるバレット仲間からの連絡を受け、ふたりの小さな子供と共に小倉に向かいました。

移動の途中にも、徐々に伝わってくる夫の状況。深刻な診断を聞き、急激な不安が…。しかし、妻として母として、由紀子さんは「今やるべきこと」に目を向けます。

意識不明、イビキ、脳の損傷、複数個所の骨折…


 バレット仲間の友人から「動いてない。意識ない。でもイビキはかいてない。とりあえず小倉においで!」と連絡を受け、子供たちを連れて最寄り駅へ急ぎました。

 京都からの新幹線は、小倉までの直通がなく、新大阪で乗り換える事に。しかも、新大阪で実施されるはずの車内の自販機の補充が間に合わなかったそうで、子供たち用のお菓子やジュース、お水さえも買えない状況でした。

「おなかすいた!」
「喉乾いた!」
「もう降りたい!」

 騒ぎ続ける子供たちに気を取られ、深く考える暇もないまま、時間は過ぎていきました。

 そんななか、夫に付き添ってくださっていたJRAの職員さんから少しずつ情報が入ってきて、その時点での夫の状況が整理されていきました。

・意識不明。
・イビキをかいている。
・脳に損傷を負っているかもしれない。
・複数個所骨折している。

 搬送されたのは、九州労災病院。しばらくすると、今度は後に主治医となる脳神経外科の医師から直接連絡が入りました。

・命の危険も0ではない。
・左手足に麻痺があるかもしれない。
・これからMRIを撮り、今後の方針を決める。

「命の危険がある」。医師の言葉に急激に不安が込み上げてきた私。

 目の前ではしゃぐ二人の子供の笑顔が奪われるかもしれない。パパにもしものことがあれば、この二人を悲しませてしまう──二人の号泣する姿が目に浮かび、このときはさすがに気持ちが沈んでいくのを自覚しました。

つづきはnetkeiba公式アプリ(無料)でお読みいただけます。

  • iOS版 Appstore バーコード
  • Android版 googleplay バーコード

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1981年9月9日生まれ。2015年に障害騎手の白浜雄造と結婚。1男1女をもうける。結婚前は四位洋文調教師や福永祐一調教師(両名、当時騎手)らが所属していたマネージメント会社にてマネージャーを務め、TV番組収録やイベント等、様々な現場で騎手をサポート。福永調教師の引退までの16年間はバレット業務も兼任。福永厩舎開業後は経理兼秘書業務を担当予定。現在はオンラインサロン「福永祐一 競走馬研究所」の運営スタッフを務める傍らフリーランスとして活動中。新たな目標のアイシングクッキー講師としても活動すべく準備中。(旧姓は坪田、また戸籍上の表記は幸子)

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング