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【安田記念予想】前走で前にいた人気馬が意外に苦戦

  • 2023年05月30日(火) 12時00分

差しタイプに重点を置いた馬券を組むべき


 先週のダービーは見た目こそパクスオトマニカの大逃げだったもののラップとしてはスローで、2番手以下については超がつきそうなスロー。ある程度の位置にいないと勝負権がないという競馬になった。差し傾向の強い近年のダービーにしては珍しい形だったかと思う。

 このように展開というのはフタを開けてみないと分からないものだが、我々は「過去に多く出たパターン」を頼るしかない。それでいくと、安田記念は差しタイプに重点を置いた馬券を組むべきレースだ。

 馬の脚質というものはデータとしては存在しないので、客観的な指標として今回は「前走3角位置」を使ってみよう。過去10年の安田記念について、前走3角位置別成績を前走3角位置3頭刻みで集計すると、

回収率向上大作戦



 前走3番手以内組はロゴタイプの8番人気1着(単勝3690円)、4〜6番手組はダノンキングリーの8番人気1着(単勝4760円)などが回収率を押し上げているが、複勝率では7番手以下の馬に負けているし、勝率も10番手以下の組が勝っている。となると、先行タイプの馬は人気薄馬なら狙うのもアリ、上位人気だと思ったほど信頼できない、という解釈になる。

 ただでさえ近年の安田記念は単勝10倍未満の馬が過去10年[4-6-4-23]で回収率単47%・複68%とそこまでおいしくないのだが、単勝未満で前走3角位置3番手以内は[0-0-1-5]。7番手以内でも[0-1-2-12]で複勝率20.0%、複回収率は26%しかない。前走8番手以下は[3-3-1-9]で複勝率43.8%、複回収率98%。前走の位置と今回の位置はイコールではないが、「前走で後ろにいた(今回の)上位人気馬」のほうが馬券に絡んでいる。

 今回の上位人気ではソダシ、ジャックドールが前走で前にいた馬に該当。予想でどう扱うか、難しい決断を迫られそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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