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【#10】リハビリ専門病院への転院を考える──「自宅に近い関西の病院よりも、〇〇が多い病院がいい」

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  • 2023年06月25日(日) 18時01分
shirahama

▲転院先を決めるポイントはいくつも…(撮影:桂伸也)


障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、昨夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。

落馬から10日、症状は安定しておりリハビリ専門病院への転院を考えることになりました。自宅に近い関西の病院か、あるいは雄造騎手の地元である九州の病院なのか。加えてリハビリの名医がいるという関東の病院も視野に入ります。

医師との相談を進めていくうちに…「先のことを考えると、〇〇が多い病院がいい」という“鬼嫁”ならではの視点が──。

「関西への転院が難しいとなっても、それはそれで…」


 9月6日、火曜日。落馬から10日目。

 主治医から電話がありました。

「ムラはありますが、『おはよう』と話しかけると『おはよう』、『大丈夫ですか?』と問いかけると『大丈夫』と答えてくれるときもある。症状は安定しています。そろそろリハビリ専門病院への転院について考えましょう」とのことでした。

 私もいまだに入院に関する制度がはっきりとは理解できていないので、間違っているかもしれませんが、入院している病院の種別(命の危険がある方を救うための急性期病院・リハビリをして回復を促すための回復期病院等)や病状によって、リハビリを受けることができる期間、1日に受けることができる最大時間が決まっているそうです。

 夫が入院している九州労災病院は、リハビリをするための回復期病院ではないので、より多くの時間、専門的なリハビリを受けるには、回復期リハビリテーション病院に転院する必要がありました。

 回復期リハビリテーション病院に入院すると、基本は退院まで同じ病院で過ごすことになります。さまざまな問題があり、転院はなかなか難しいそうで、主治医の経験上、回復期リハビリテーション病院から別の回復期リハビリテーション病院へ転院をした患者さんはいないそうです。

 主治医の先生からは「退院後は通院リハに通うことになるかもしれない。入院中のリハビリの経過を把握してくれているリハビリ専門職の方に退院後もリハビリをしてもらうのがベスト。なので九州の病院ではなく自宅の近くの病院に転院させてあげたい。転院先の病院の候補をいくつか考えておいてほしい」と言われました。

 ただ、移動にはすごく体力を使うので、体力が回復しないようであれば関西への転院はあきらめ、九州の回復期リハビリテーション病院に転院するしかない。主治医からは、そう告げられました。

 そして、当時はまだコロナ禍。関西の病院に転院する場合は、県外からの患者を受け入れてくれる病院を探さないといけない。コロナ禍での関西圏への転院はハードルが高そうだなと感じました。

 私としては、移動に耐えられる体力があるのであれば、「自宅の近く」の病院にこだわらず、夫の症状に合ったリハビリを得意とする病院を国内から探して、そこに転院してほしいという気持ちもありました。脳の名医、整形外科の名医がいるように、リハビリの名医もいるだろうと考えたのです。

 騎手クラブの栗田さんから関東の病院に名医がいらっしゃると聞いていたので、そちらも候補に入れたいと主治医に伝えたのですが、九州から関東への移動はさすがに厳しいとのこと。

 このまま九州労災病院で入院を続けて、移動できる体力がついたら東京の病院に転院するという方法も考えたのですが、病院として受け入れができる限界もあるでしょうし、「何より本格的なリハビリを1日でも早く始めたほうがいい」との主治医の意見に従い、関東への転院はあきらめました。

 そして、主治医から「リハビリを担当する方々はみなさんプロ。大きな変わりはないと思います」と言っていただき、ホッとしたのを覚えています。

 九州の病院に転院する場合、主治医からのお勧めで候補はひとつの病院に絞られていましたが、関西の病院に転院する場合、はたしてどこの病院にするか……。

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1981年9月9日生まれ。2015年に障害騎手の白浜雄造と結婚。1男1女をもうける。結婚前は四位洋文調教師や福永祐一調教師(両名、当時騎手)らが所属していたマネージメント会社にてマネージャーを務め、TV番組収録やイベント等、様々な現場で騎手をサポート。福永調教師の引退までの16年間はバレット業務も兼任。福永厩舎開業後は経理兼秘書業務を担当予定。現在はオンラインサロン「福永祐一 競走馬研究所」の運営スタッフを務める傍らフリーランスとして活動中。新たな目標のアイシングクッキー講師としても活動すべく準備中。(旧姓は坪田、また戸籍上の表記は幸子)

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