イクイノックスの強さに注目しつつ、伏兵も警戒
断然人気のイクイノックス(父キタサンブラック)は、まだひ弱さが残り惜敗したクラシック2冠を含め【5-2-0-0】。だが、スケールアップした現在は「ワールドベストホースランキング」トップの世界のチャンピオン。レース運びは変幻自在。その能力はだれもが認め、さらに評価を高める可能性がある。初コース、初距離は大きな死角ではない。
宝塚記念では、単勝110円だった2006年ディープインパクト、単勝120円の1994年ビワハヤヒデなど、単勝100-200円台の1番人気馬が勝ったことが過去30年間に10回ある。
ただし、その時の2着馬は、「8、8、4、3、9、6、4、10、9、7」番人気だった。3着にも伏兵が並び、2番人気馬はたった1頭しか見当たらない難しい記録がある。順当に断然人気のイクイノックスが勝っても、3連単、3連複は決して平穏ではないと思える。
素直にイクイノックスから入るとしても、人気のない伏兵を探しておきたい。
6歳馬だが、5歳春から芝で【4-0-2-1】のヴェラアズール(父エイシンフラッシュ)は、2022年の京都大賞典2400m(阪神)はスローな流れを上がり33秒2で直線一気。2馬身半差の楽勝だった(松山騎手)。
続くジャパンCもスローで、坂を上がって残り300mあたりでは馬群はひとかたまり。ヴェラアズールは馬群の中、不発と思えた。ところが自身の最後の1Fは推定11秒1。猛然と割って差し切った。あれはムーア騎手の腕だけではない。
父エイシンフラッシュ(日本ダービーの上がり32秒7)譲りの爆発力で、阪神の外回りの芝で2戦2勝だが、むしろ内回りの短い直線向きと思える。イクイノックスを射程に入れて進むことも可能だ。
この時期に快走する牝馬は、過去10年【4-1-6-15】。馬券圏内率.423だから軽視できない。ジェラルディーナ(鞍上は宝塚記念最多4勝の武豊騎手)は当然、軽視できないが、グランプリレースに強いステイゴールド産駒は宝塚記念5勝。もう孫の世代だが、スルーセブンシーズ(父ドリームジャーニー)、ライラック(父オルフェーヴル)は少額でも買っておきたい。