▲七夕賞に出走予定のバトルボーンを管理する林徹調教師(撮影:下野雄規)
先日の安田記念をソングラインで制し、JRA通算100勝を達成した林徹厩舎。今週の七夕賞には、デビューから5戦4勝でOP入りを果たした素質馬バトルボーンが出走します。
大事に間隔を開けてレースを使ってきたこれまでの経緯や、この馬の強みなどについて、管理する林調教師にお話を伺いました。
(取材・構成=佐々木祥恵)
帰厩するたびに成長を感じるバトルボーン
──七夕賞に出走予定のバトルボーンは約7か月振りのレースになりますが、放牧先から帰厩してからの様子を教えてください。
林 牧場(ノーザンファーム天栄)からとても良い状態で入厩しまして、こちらでも順調に調整が進んでいます。1週前(6/28)追い切りの動きも良かったです。
──昨年11月末の前走時と比べて、成長や変化はありますか?
林 若馬の頃は弱い面もありましたので一戦一戦、大事に使わせていただきました。レース後は放牧に出して牧場でじっくり成長を促しながら鍛えていただいたことで、毎回帰厩するたびに成長を感じます。今回も以前に比べると心身ともにドッシリしてきた感じがしますね。
▲前走のウェルカムSを制したバトルボーン(内)(撮影:下野雄規)
──先行力があって競馬が上手という印象がありますが、この馬の強みを教えてください。
林 競馬が上手ですし、スピードの持続力もあって、長く良い脚を使えるところです。
──まだ成長しそうですか?
林 先程も話しましたように大事にレースを使ってきてまだ5戦ですし、成長の余地は多分にあると思います。
──今回の七夕賞では初の福島コースとなりますが?
林 競馬は上手ですし、長く良い脚を使えますので、今回の福島の2000mは充分対応可能だと思います。上がりの瞬発力勝負になるより、スピードの持続力が生きるレースが得意なので、福島である程度のペースで前が流れる展開になれば競馬はしやすいと思います。良馬場で時計がかかる分には問題ないのですが、きれいな走りをする馬なので、できれば良馬場でレースをさせたいですね。
▲小回りコースの中山では2戦2勝(撮影:下野雄規)
──七夕賞の意気込みをお願いします。
林 重賞でメンバーは強くなりますが、挑戦者の立場で良い競馬ができればと思っておりますので、応援よろしくお願いいたします。
上半期はソングラインでGIを連勝──これからも学びの姿勢で
──安田記念で通算100勝を達成されましたが、馬作りなどどのように取り組まれていますか?
林 馬にしっかり手をかけて1つ1つ丁寧に仕事をしています。
──この春GI2連勝のソングラインも攻める調教ができるようになったそうですね?
▲この春GI2連勝のソングライン(内)(撮影:下野雄規)
林 牧場からとても良い状態で戻していただいて、厩舎スタッフがしっかり手をかけて丁寧な仕事をしてくれたおかげで心身ともに良いコンディションが保てました。それ以外にもジョッキーや獣医師、装蹄師など、いろいろな方々の意見を伺いながらしっかり手をかけて仕事をしてきた結果として、ソングラインも攻めることができたのだと思います。
これは厩舎の他の馬たちに関しても、全く同じで、スタッフが皆、1つ1つの仕事を丁寧にしてくれています。
──最後に今後どのような厩舎にしていきたいかなど、目標などありましたらお聞かせください。
林 様々な方々とコミュニケーションを取りながらしっかりと手をかけて、最終的にはレースに騎乗するジョッキーが納得できる状態で馬を送り出すということが大切だと思っています。
どういう厩舎を目指すかというよりも、これからもいろいろな立場の方々から多くのことを教わっていきたいですね。
(文中敬称略)