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【#11】「退院後のリハビリには車での送迎が必要」全く運転ができない鬼嫁に訪れたピンチ

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  • 2023年07月02日(日) 18時01分
shirahama

▲「苦手というようなレベルではなく、とにかくできない(笑)」(撮影:桂伸也)


障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、昨夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。

退院した後、リハビリのサポートとして必要になるのが車での送迎。しかし由紀子さんは車の運転が大の苦手。当時、雇い主であった福永祐一さんから提案されたあらゆる練習にも応えられませんでした。

それでも、今となっては「運転をできなくてよかった」という“鬼嫁”の心情とは…?

祐一さんからの指示に唯一応えられなかった「車の運転」


 9月7日、水曜日。落馬から11日目。

 この日は太宰さん(啓介騎手)の奥さんなど、数人の友人たちとランチに出かけました。私の誕生日が近いことで、お祝いをしてくれたのです。

 落馬事故のあとも滋賀での日常生活は以前と変わらず送っていたので、園のお迎えや公園遊びのあとにママ友たちと子連れで外食する機会は数回あったのですが、なかでもこの日は久しぶりにゆっくりと美味しいものを食べて、私の気持ちやこれからの不安などを聞いてもらい、たくさん笑うことができました。

 また、太宰さんをはじめ、同期のみなさんがとても心配してくださっていることも知りました。太宰さんご一家とは、落馬の3日ほど前に平沢さん(健治騎手)と3組で食事に行っていたこともあり、太宰家の子供たちもとても心配してくれているとのこと。その気持ちがとてもうれしく、ありがたい限りです。

 たくさんの方から温かい励ましをいただきましたが、なかでもとくにうれしかったのは、服部(利之)先生が奥さまと一緒に私に会いにきてくださったこと、そして「がんばれ!」と励ましてくださったことです。服部先生の奥さまとは、以前からお話をする機会が多くあったので、心配して駆け付けてくださったのです。いろいろなお話を聞かせていただきながら、おふたりの温かい気持ちに触れ、本当に励まされました。

 この日は、騎手クラブから騎手免許の更新に必要な書類を書いて提出してほしいという連絡がありました。今年に限り、私の代筆でもいいとのことで、騎手クラブの栗田さんが書類一式を自宅のポストまで届けてくれることに。

 私が車を運転して取りに行けばいいのですが、私は車の運転ができません。昔、(福永)祐一さんに「坪ちゃんが車の免許を取ってくれたら楽なんやけどなぁ」と言われたことをきっかけに、免許は取ったんです。が、どうにもこうにも運転ができず…。

 どう表現したらいいのかわかりませんが、苦手というようなレベルではなく、とにかくできないのです。どうしても運転ができない…。むしろ私が聞きたい、なぜなんでしょう(笑)。

 免許を取ったばかりの頃は、私が早く運転に慣れるために、比較的安全な道で練習をするよう、祐一さんが指示を出してくださっていました。「もし柱にぶつけたり擦っても、修理すればいいんだから大丈夫。運転しないと上達しないから、この車で練習したらいいよ。免許を持ってるんだから大丈夫でしょ?」と、車まで貸してくださって。返す返すも、懐の深い方です。

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1981年9月9日生まれ。2015年に障害騎手の白浜雄造と結婚。1男1女をもうける。結婚前は四位洋文調教師や福永祐一調教師(両名、当時騎手)らが所属していたマネージメント会社にてマネージャーを務め、TV番組収録やイベント等、様々な現場で騎手をサポート。福永調教師の引退までの16年間はバレット業務も兼任。福永厩舎開業後は経理兼秘書業務を担当予定。現在はオンラインサロン「福永祐一 競走馬研究所」の運営スタッフを務める傍らフリーランスとして活動中。新たな目標のアイシングクッキー講師としても活動すべく準備中。(旧姓は坪田、また戸籍上の表記は幸子)

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