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【#12】看護師さんから送られてきた動画を見て“鬼嫁の目にも涙”「夫は生きようとしている」

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  • 2023年07月09日(日) 18時01分
shirahama

▲夫の落馬後、初めて流した涙の理由とは…?(撮影:桂伸也)


障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、昨夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。

落馬から13日目、看護師さんからある動画が送られてきました。

医師から“命の危険”を告げられたときも、ICUで面会ができたときも、「泣きたくなることはなかった」という由紀子さんでしたが、その動画を見たときばかりは涙が止まりませんでした。

自称・鬼嫁の由紀子さんの涙が止まらなくなるほど、心を動かしたその動画に映っていたのは──。

これまで、不安はあっても泣きたくなることはなかった


 前回は、どうしても(福永)祐一さんの懐の深さを知っていただきたくて、大きく話がそれてしまいました。すみません(笑)。

 夫の騎手免許更新に関する話に戻します。記載を終えた書類は、騎手クラブに提出しなければなりません。バスに乗れば騎手クラブまで行くことができるのですが、生活が激変して何かと忙しく、時間が取れなかったのです。なぜか友人とランチに行く時間はあったんですけどね(苦笑)。

 そこで私が思いついたのが、近所に住む平沢(健治騎手)さんに持って行ってもらうこと! 平沢さんは快く引き受けてくださり、「僕に何かできることがあれば、遠慮なくいってくださいね」と優しいお言葉までかけてくださいました。

 とはいえ今、思い返せば、郵送すればよかっただけの話。この頃の私は、やはり冷静ではなかったのでしょう。郵送するという手段が頭からすっぽりと抜けていて、「直接届けなければいけない」と思い込んでいました。

 自分が思っているより、いっぱいいっぱいの状態で毎日を過ごしていたんだろうなと思います。

 数日後、主治医から連絡がありました。

「今の段階では、まだ関西への転院は厳しい。もう少し待ってみてもいいが、転院の調整にも時間がかかるし、そろそろ決断したい。一日も早く、本格的なリハビリを始めるべきだと思います。そして、制度としては、回復期リハビリテーション病院から別の回復期リハビリテーション病院への転院はできるようです。今、九州のリハビリ病院に転院するのであれば、よきタイミングで関西の病院に転院希望だという旨を申し送りしておきます」

 夫が気持ちよくリハビリに専念するためには、どんな環境が一番いいのか──。以前にも書いた通り、いろいろな考えが脳裏をかすめ、決断に至らないまま時間ばかりが過ぎていきました。しかし、結局は「主治医の意見に従うこと」が回復への一番の近道に違いない。そう思い至った私は、主治医のアドバイス通り、九州の病院に転院することに決め、主治医が推薦する「小倉リハビリテーション病院」に書類を提出。転院日時の調整などを進めてもらうことになりました。

 9月13日、土曜日。落馬から13日目。

「お食事している姿を撮ることができたので送りますね」と、ひとつの動画が看護師さんから送られてきました。

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1981年9月9日生まれ。2015年に障害騎手の白浜雄造と結婚。1男1女をもうける。結婚前は四位洋文調教師や福永祐一調教師(両名、当時騎手)らが所属していたマネージメント会社にてマネージャーを務め、TV番組収録やイベント等、様々な現場で騎手をサポート。福永調教師の引退までの16年間はバレット業務も兼任。福永厩舎開業後は経理兼秘書業務を担当予定。現在はオンラインサロン「福永祐一 競走馬研究所」の運営スタッフを務める傍らフリーランスとして活動中。新たな目標のアイシングクッキー講師としても活動すべく準備中。(旧姓は坪田、また戸籍上の表記は幸子)

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