日本馬も現地滞在し参戦? 賞金増額となる来期のドバイ・レーシング・カーニヴァル
来期は開催日が2つも新設される
ドバイの競馬を司るドバイ・レーシング・クラブが、2023/2024年シーズンの開催概要を発表した。
開幕は、11月10日(金曜日)。これまでは、年内の開催を「一般開催」とし、年明けからの開催を「ドバイ・ワールドCカーニヴァル」と銘打って行ってきたが、来季からは、11月10日の開幕日から3月30日(土曜日)のドバイワールドCデーまで、「ドバイ・レーシング・カーニヴァル」という名称で開催されることになった。
合わせて15日間の開催が予定されている中、13日間は金曜開催で、3月2日の「スーパーサタデー」と、3月30日の「ドバイワールドカップデー」の2日間のみが土曜開催となる。
この2日以外、2つのメジャーな開催日が新設されるのが、来季の大きな特徴だ。
1つは、12月22日(金曜日)の「フェスティヴ・フライデー」で、もう1つは、1月26日(金曜日)の「ファッション・フライデー」である。
このうち後者は、2024年2月24日に行われることが既に発表されている、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われる「サウジCデー」へ向けた、前哨戦の役割を果たすことになりそうである。
また、来シーズンの賞金総額が、2022/2023年シーズンに比べて、27%増額となることもあわせて発表された。ドバイワールドCデーの総賞金3050万ドルは変わらないので、増額分はそれ以外の競走に配分されることになる。
これにより、海外から参戦する馬たちが増え、なおかつ、スポット参戦ではなく、一定期間ドバイに滞在して競馬をしてくれることを、促す狙いがあるようだ。日本からも、中東で2〜3戦する馬が出て来る可能性はありそうだ。
ドバイと言えば、シェイク・モハメドの競馬組織「ゴドルフィン」が、好不調の波が激しいシーズンを送っている。
春先のスタートダッシュは素晴らしく、5月5日にC.アップルビー厩舎のハリケーンレーン(牡5、父フランケル)がニューマーケット競馬場のG2ジョッキークラブS(芝12F)を制し、1年8カ月ぶりとなる復活の勝利を手にすると、2日後の5月7日には、同じくC.アップルビー厩舎のアダイヤー(牡5、父フランケル)がニューマーケット競馬場のG3ゴードンリチャーズS(芝10F)を制し、こちらも1年9カ月ぶりの重賞制覇を果した。
そして、同日・同競馬場では、サイード・ビン・スルール厩舎のモージュ(牝3、Exceed And Excel)が、G1英1000ギニーに優勝。5月13日には、C.アップルビー厩舎のミリタリーオーダー(牡3、父フランケル)が、LRダービートライアルS(AW12F)を制し、英ダービーの有力候補となると、5月20日には、C.アップルビー厩舎のモダンゲームズ(牡4、父ドバウィ)がG1ロッキンジS(芝8F)を制したのである。
ところが、その快進撃が、6月に入るとピタっと止まってしまった。
英国ダービーに2番人気で出走したミリタリーオーダーは、よもやの最下位に敗退。ダービー前日のG1コロネーションC(芝12F6y)に出走したハリケーンレーンも、5頭立ての5着に敗れた。
そして、陣営が重要なターゲットと位置付けていたロイヤルアスコットでも、最高着順が3着で、未勝利に終わった。具体的に言えば、G1クイーンアンS(芝8F)に出走したモダンゲームズが、1番人気を裏切り4着。
G1プリンスオヴウェールズS(芝9F212y)に出走したアダイヤーが3着。モージュはレース2日前に咳の症状が出てG1コロネーションS(芝7F213y)を回避してしまった。
ロッキンジSを最後に、既に7週にわたって欧州における重賞制覇がないのは、単なる巡り合わせの問題だと思うが、ライバルのクールモアが好調なだけに、余計に目立っている。
明るい兆しが、ないことはない。
6月24日にニューマーケット競馬場で行われた条件戦(芝8F)を、C.アップルビー厩舎のインペリアルエンペラー(牡3、父ドバウィ)を快勝したのだ。G1・4勝馬ガイヤースの甥にあたり、昨年10月にニューマーケット競馬場のメイドン(芝8F)でデビュー勝ちを果たした際には、ゴドルフィンのダービー候補ナンバーワンと称されたのがインペリアルエンペラーだ。
仕上がりが遅れ、ダービーには間に合わず、6月24日のレースが今季初戦だったが、ここを無事に白星で通過。この馬の復活が、チーム全体の成績がV字回復する起爆剤となることを期待したい。