▲古川吉洋騎手と藤岡佑介騎手の対談がスタート(撮影:山中博喜)
競馬学校花の12期生で、今年46歳となるベテラン・古川吉洋騎手と佑介騎手が函館競馬場で対談。
年齢は離れていますがプライベートでも親交があり、後輩の佑介騎手も「古ちゃん」というあだ名で呼ぶほどとても仲の良いおふたり。古川騎手の「縄跳びトレーニング」や「スープカレー屋さんでの出来事」など、佑介騎手も驚いた“常人離れエピソード”が続々と飛び出しました。
(取材・構成=不破由妃子)
唯一無二の愛されキャラ 後輩からも「古ちゃん」
佑介 古ちゃん、今日はよろしくお願いします!
古川 お願いします。
──古川さんは1977年生まれ、佑介さんは1986年生まれで年齢はだいぶ離れていますが、呼び名は「古ちゃん」。仲がいいんですね。
佑介 古ちゃんには、3年目くらいから札幌で飲みに連れて行ってもらったりして。ずっと親しくさせていただいています。
古川 なにか特別なきっかけがあったわけではなくて、気が付いたらそこにいた感じ(笑)。でも、呼び名でいえば、確かに俺が四位さんを「四位ちゃん」と呼んでいるようなもんだよなぁ。ノリさん(横山典弘騎手)とか普通に名前で呼んでいるけど、「ちゃん」ではないし。
佑介 関西では、よほど年が離れていない限り、後輩も含めて「古ちゃん」ですよね。古ちゃんのことを「古さん」と呼ぶ人はいない。
古川 いないね。あ、柴山くんくらいかな。柴ちゃんは同じ年なのに「古さん」だもん(笑)。
──古川さんは、昔から“愛されキャラ”ですよね。
古川 単なる空気です(笑)。
▲“愛されキャラ”の古川騎手(撮影:山中博喜)
今年で46歳も騎手界トップクラスの身体能力は健在
佑介 今年で46歳でしたっけ? 古ちゃんが上から数えたほうが早い位置にいるなんて、時が経つのは早いですね。
古川 (福永)祐一は引退したけど、同期では(和田)竜二も(柴田)大知もまだバリバリ乗ってるからね。
佑介 そうですよね。すごい期だ。
──古川さんは、とにかく身体能力が高くて体力があると福永さんから聞いたことがあります。
古川 そんなことないよ。
佑介 いや、絶対にそんなことある(笑)。
古川 瞬発系というだけで、持久力はそれほどでもない。持久力でいったら、間違いなく竜二がNo.1でしょ。競馬を見ていたらわかると思うけど、そこはね、竜二が抜けてるよ。
佑介 たとえばゴルフとか、競馬以外のスポーツをやったときに身体能力や体の強さが目立つのは、関西でいうと古ちゃん、幸(英明騎手)さん、浜ちゃん(浜中俊騎手)の3人。あ、あとは国分兄弟(優作騎手、恭介騎手)。あのふたりも半端ない。
──そのすごさって、どういうタイミングで感じるんですか?
佑介 ゴルフにしても、僕らジョッキーの小さい体で飛ばそうと思っても限界があると思うんですよ。でも、名前を挙げた人たちは、常人では超えられない壁を楽に超えてくるというか。我々一般人が練習を積み重ねても絶対に辿り着けない領域に踏み込んでいける人たち。
古川 そんなことないと思うけどなぁ。
▲古川騎手らは「限界を超えてくる」(撮影:山中博喜)
まるでドラゴンボール!? 常人離れした縄跳びトレーニング
──どんな方法で体力の維持やトレーニングをしていらっしゃるんですか?
古川 みんなのようにトレーナーを付けてガチガチにやっているわけではなくて、今の自分に必要なもの、たとえば体幹とかそのあたりがしっかりしていれば損はしないよねっていう。付けるというより、落とさないというのが基本ですね。体力を落とさないためにトレーニングをする、みたいな。
佑介 何年か前、函館の浜辺にロープみたいな重たい縄跳びを持って行って、黙々と飛んでませんでした?
古川 ああ、コロナ禍に入った頃ね。ランニングがてら湯の川の浜辺に行って、ひとりで縄跳びしてた。縄跳びはね、基本として取り入れてる。30秒を何セットか飛ぶんだけど、とにかく体全体を使うからね。
佑介 「ちょっと重いだけだよ」って言っていたけど、浜辺にその縄跳びが置いてあるのを見たら、重さで地面に埋まってましたよ(笑)。
古川 ドラゴンボールか(笑)! だって、1キロくらいの縄跳びだよ。
▲冗談を言い合うふたり(撮影:山中博喜)
佑介 40代になってもバリバリ乗っている人たちって