▲最終週を残し、函館リーディングトップに立つ佐々木大輔騎手(撮影:下野雄規)
函館開催でここまで18勝を挙げ、2位の藤岡佑介騎手に5勝差をつけて函館リーディングのトップに立っている佐々木大輔騎手。
飛躍の裏にあるのは、昨年から続けているという「レース映像での研究」。外出先でもご友人そっちのけで見てしまうという驚愕の熱中度で、自身が乗っていないものも含め全てのレースをチェックするそうです。
函館リーディングへ、最終週を前に力強い意気込みをいただきました。
(取材・文=馬切もえ)
プライベートそっちのけ!? 「ボウリングの合間にレース映像」
──今年は昨年(9勝)を大きく上回るJRA37勝を挙げています。きっかけのようなものはあるのでしょうか?
佐々木 いや〜それがないんですよね。色々な方に聞かれるのですが、やっていることは昨年と同じなので。
──昨年と同じというと?
佐々木 休みの日などには、なるべくレースを見て研究するようにはしています。
──自分が乗ったレースを振り返るんですか?
佐々木 それもありますが、自分が乗っていないレースもすべて見ます。なんか気になっちゃうんですよね。外に出かけていても気になっちゃって…。友人とボウリングをしにいった時にも、合間にレースを見ていたことがありました(苦笑)。
──昨年の夏までは2勝止まりでしたが、秋から年末にかけて勝ち鞍が増えていった印象があります。
佐々木 はい。結果が出ると少しずつチャンスのある馬に乗せていただく機会が増えて、また勝つことができて…と、流れが良くなりました。
──まだ減量(マイナス2キロ)の特典がありますが、それを生かすために心がけていることは?
佐々木 やはりなるべく積極的には乗るように意識しています。
──春の東京では最低人気(16番人気=アウリガテソーロ)での勝利もありました。人気薄の馬に乗る時でも勝ち切るイメージで乗るのでしょうか? それとも少しでも着順を上げるイメージ?
佐々木 事前に決めつけることはないです。スタートを出てからの走りの感触で“これはやれそうだ”と思えば勝ちにいきますし、そうでないのならひとつでも上の着順を目指せるように工夫します。
▲16番人気の低評価を覆し、富嶽賞を制したアウリガテソーロ(撮影:下野雄規)
「キツかった」昨年も糧に… “タイトな競馬”で函館開催を席巻
──アドバイスをもらったり、参考にしている先輩はいますか?
佐々木 この夏の函館では(横山)武史さんに色々と話を聞いて、勉強をさせてもらっています。
──昨年は同期の今村聖奈騎手や角田大河騎手の活躍が目立ちました。どのような思いで見ていましたか。
佐々木 キツかったですね。ただでさえ自分自身がなかなか勝てないなかで、毎週のように勝ち鞍を挙げて重賞を勝ったりしていましたから。悔しかったです。
──そういう中で今年は大きく勝ち星を延ばして夏の函館開催ではリーディング首位に立っています。函館競馬場で乗る際に意識しているポイントはありますか?
佐々木 タイトな競馬を心がけています。小回りコースですから、できるだけロスが少ないように。それから周りのジョッキーに迷惑をかけないためにもですね。
▲今週の函館2歳Sにもコンビで挑戦するクールベイビー(撮影:山中博喜)
──滞在競馬ですから調教にもたくさん騎乗すると思いますが、毎日どれくらいの頭数に乗っているのですか。
佐々木 水曜の追い切りだと多い時は12頭。平日ですと7〜10頭くらいですね。
──そんなに! 美浦にいる時と比べるとずいぶん多いですね。
佐々木 はい。でも自分で調教から乗ってレースでも乗って、そして勝つことができた時は本当にうれしいですよ。
──それでは最後にこれからの目標を。
佐々木 毎週、たくさん勝てるようになりたいです(笑)。
──それはそうですよね(笑)。今週は函館リーディングがかかりますが?
佐々木 そうですね。もちろん取れたらうれしいですが、今週もやっぱり勝ちたいです。先週までで函館開催は計18勝。区切りの20勝を目標にして、そのうえで函館開催のリーディングを取りたいなと思っています。
▲「区切りの20勝を目標に、そのうえでリーディングを」(撮影:山中博喜)
(文中敬称略)