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【#15】対極的な騎手ふたりの隣で芽生えた思い「私の経験は、きっと貴重な記録になる」

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  • 2023年07月30日(日) 18時01分
shirahama

▲転院日の新幹線で、経験を記録に残そうという気持ちが…(撮影:桂伸也)


障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、昨夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。

リハビリ専門病院へ転院が近づいたタイミングで「子供の顔は見たくない」と言うようになったという白浜騎手。ですが、それを聞いた由紀子さんは悲しむどころか、回復している証拠だと感じたといいます。

そういった今回の事故を通じた様々な経験をするなかで、由紀子さんに「記録として残したい」という気持ちが湧いてきます。

夫のふさぎ込む姿に回復を感じた



 九州労災病院のソーシャルワーカーさんから、小倉リハビリテーション病院への転院は28日になりそうだとお電話がありました。

 付き添いは成人1名のみとのことだったのですが、今回の事故で一番心を痛めているであろう義母を立ち会わせてあげたいと思い、病院に交渉。難色を示されましたが、各病院が事情を考慮して尽力してくださった結果、2名での立ち合いの許可が下りました。

 欲張りな私はこれだけでは満足できず、窓越しでもいいから、何とか子供たちと会せることができないかを考え始めました。遠目からでも子供たちの声を聞かせたり、窓越しでも子供たちの姿を見せたり…。それが叶えば、夫の回復は進むのではないかと思ったのです。そんな目論見を胸に秘め、転院の際は私の母と子供たちも同行しようと密かに計画を立てていました。

 夕方、作業療法士の方から「リハビリの効果を上げるために、お子様の声援がほしい。テレビ電話をしたい」と提案があり、子供たちにも事情を説明して電話を待ちました。が、約束の時間になっても電話が掛かってくることはなく…。

 約束の時間から数十分後、担当の作業療法士の方から電話がありました。「お子様との通話を提案したのですが、明確に拒否をされました。『子供の顔は見たくない』と言ってらっしゃいます。『奥様が心配されますよ』と伝えたら顔色が変わり、『任せます』と言われましたが、今日はご本人の意思を尊重しました」とのこと。

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1981年9月9日生まれ。2015年に障害騎手の白浜雄造と結婚。1男1女をもうける。結婚前は四位洋文調教師や福永祐一調教師(両名、当時騎手)らが所属していたマネージメント会社にてマネージャーを務め、TV番組収録やイベント等、様々な現場で騎手をサポート。福永調教師の引退までの16年間はバレット業務も兼任。福永厩舎開業後は経理兼秘書業務を担当予定。現在はオンラインサロン「福永祐一 競走馬研究所」の運営スタッフを務める傍らフリーランスとして活動中。新たな目標のアイシングクッキー講師としても活動すべく準備中。(旧姓は坪田、また戸籍上の表記は幸子)

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