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2025年の各国のダービー馬が潜む!? アルカナ・オーガスト1歳セール

  • 2023年08月02日(水) 12時00分
世界的な高級リゾート地ドーヴィルを拠点とするフランスのセリ会社「アルカナ社」が、夏期限定で“フランス競馬”の魅力に迫る現地最新情報をお届けします。

※当コラムは無料でお楽しみいただけます

様々な形で、各国のダービーと御縁があるセール


 6月にシャンティーで行われたフランス版ダービーのG1ジョッケクルブ賞を、デビューから無敗の4連勝で制したエースインパクト(牡3、父クラックスマン)は、21年のアルカナ・オーガスト1歳セールにで、7万5千ユーロ(当時のレートで約980万円)というお買い得価格で購買されていた馬であることは、既に皆様もご存知のことと思います。

 このセールから出現したクラシックホースは、言うまでもなく、エースインパクトだけではありません。近年で言えば、2019年のフランス・ダービーを制したソットサス(父シユーニ)も、17年のアルカナ・オーガスト1歳セールにて34万ユーロで購買された馬でした。ホワイトバーチファームが所有し、ジャン・クロード・ルジェ調教師が管理したソットサスは、4歳時にはG1凱旋門賞制覇を果たしています。

 ノルマンディーで生産されたソットサスですが、引退後はクールモアに購買され、アイルランドで種牡馬となりました。そして、そのソットサスの初年度産駒が今年1歳となり、このうち15頭が、今年のアルカナ・オーガスト1歳セールに上場されるのです。 

 例えば、上場番号295番の父ソットサス・母ミスアルファの牡馬は、叔父にG1ジョーハーシュターフクラシック勝ち馬ロックエンペラーがいて、近親にヤグリ、ブラッシュウィズプライド、ラグズトゥリッチズ、ジャジルらがいる牝系を背景に持っています。

 期待の若手種牡馬ソットサスが、どのような産駒を出しているか、マーケットでどのように評価されるかは、今年のオーガスト1歳セールにおける大きな見どころの1つと言われています。

 今年のアルカナ・オーガスト1歳セールには、ザグレーギャツビー、ルアーヴル、アルマンゾル、ブラムト、ローマン、ヴィジョンデタといった、フランスのクラシックを制した馬たちの産駒も上場されます。中でも、今年の1歳がラストクロップとなるルアーヴルの産駒が14頭上場されているのが、大きな話題となっています。

 15年のオーガスト・1歳セールにて22万ユーロでクールモアに購買され、17年にドーバー海峡を隔てた英国のダービーを制したのが、ウイングスオブイーグルス(父プルモワ)です。ノルマンディーで生まれた同馬は、引退後、初年度は故郷のフランスで供用された後、2年目からはアイルランドで供用されています。

 20年にロイヤルアスコットのG2クイーンズヴァーズを制した後、カラの愛国ダービーを制したサンティアゴは、アイルランド産馬で、現在もアイルランドで種牡馬として供用されています。ところがそのサンティアゴも、アルカナがドーヴィルで主催するセールと、縁がある馬なのです。実は、サンティアゴの母ワディハッタは、16年のアルカナ・サマーセールにて、27万5千ユーロで購買されています。そしてその時、ワディーハッタが受胎していたのが、翌春に誕生したサンティアゴだったのです。

 様々な形で、各国のダービーと御縁があるのが、ドーヴィルで開催されるセールなのです。今年のオーガスト・イヤリングセールには、314頭の1歳馬たちが上場されますが、その中にもきっと、東京で行われる日本ダービーを含めて、2025年に各国で開催されるダービーに、駒を進めることになる馬が潜んでいるはずです。

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フランス競馬便り


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欧州の主要セリ会社であるアルカナ社(Arqana)。フランス北西部の美しいリゾート地、ドーヴィルを拠点としている。本コラムは8月のセール開催中に、期間限定でお届け。ヨーロッパを代表するフランス競馬の最新情報を、現地から発信!

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