▲マリアエレーナと小倉記念連覇に挑む松山弘平騎手(C)netkeiba.com
昨年の小倉記念で重賞初制覇を果たしたマリアエレーナ。連覇を狙って今年も松山弘平騎手とのコンビで臨みます。松山騎手といえば夏の小倉リーディングに2年連続輝くなど、“ザ・夏男”。自身も「暑い方が好き」という季節に、マリアエレーナとの活躍を誓います。
(取材・構成:大恵陽子)
成長して、器用さがすごく出てきた
──マリアエレーナに初めて騎乗したのは3歳のエルフィンS(4着)でした。当時の印象を教えてください。
松山 末脚のある馬だなという風に思っていました。スタートから少し力みがあったりして、元々は器用さがそんなにある方ではありませんでした。
──その後、2戦を挟んで1勝クラス、2勝クラスと連勝しました。それまで後方からレースを運ぶことが多かったですが、2連勝目の時は楽に先行できたように見えました。
松山 ポジションを取りに行くと力みが出てくるので、それまではポジションを取りに行きづらかったです。でも、小倉で勝った時は馬ももちろん頑張ってくれましたし、内枠というのもよかったです。小倉では後ろから外を回っての競馬になると厳しいので、内枠を利用してポジションをしっかり取りに行っていい位置で運べました。マリアエレーナはいつもいい枠を引いて、この馬の持っている運だと思います。
▲2021年高千穂特別(2勝クラス)勝利時(C)netkeiba.com
──3歳の頃から33秒台の末脚を使っていましたが、前目の位置を取れるとさらにレースの幅が広がりそうです。
松山 ポジションを取れるに越したことはありません。成長して器用さがすごく出てきて、その器用さってスタートが本当に大事です。スタートが良くないと取りたいポジションも取れないですけど、今はスタートも良くて馬の成長を感じます。
──昨年、勝った小倉記念は振り返っていかがですか。
松山 内枠がすごく多くて枠順に恵まれる馬で、小倉記念でも1枠2番といういい枠を引きました。いいポジションを取れて、なおかつ馬場も最内の綺麗な所を通れました。
──それがあの強い勝ち方に繋がったんですね。年明けの愛知杯では3着。牝馬同士でしたが、重馬場が敗因でしょうか……。
松山 はい、堪えましたね。馬場状態にもよるんですけど、できればいい馬場で走らせてあげたいです。
──その後はGI・大阪杯5着、前走の鳴尾記念も勝ち馬から0秒2差の5着と牡馬相手でも着差は大きくありません。
松山 大きく崩れてはいないですし、一生懸命走ってくれて力のある馬だと思います。
連覇できるようにしっかり結果を出したい
──松山騎手自身には夏のイメージが強いです。
松山 僕は暑い季節の方が好きで、汗をかくのも好きです。小倉はすごく好きな競馬場で、デビューしたのも小倉ですし、勝利数も小倉は多いです。
──主場に比べて開催日数が多くない中でも209勝を挙げ、勝率は全場トップです。小倉の特徴はどう感じていますか?
松山 逃げ・先行馬のペースが速くなったり馬場が悪くなったら、外差しが決まりますし、馬場が良くて前有利のペースになれば前が残る競馬場で、分かりやすいのがいいのかなと思います。
──今年も“ナツコク(夏の小倉)”での活躍が期待されます。
松山 今年の夏の開催は4週間だけで、全日程に参戦はできないですけど、小倉で騎乗する日は全力で頑張りたいです。いま2年続けて夏の小倉リーディングを獲らせてもらっているので、今年も獲れるように頑張りたいです。
▲夏の小倉リーディング「今年も獲れるように頑張りたい!」(C)netkeiba.com
──マリアエレーナは小倉記念に向けて8月3日に1週前追い切りを行いました。
松山 動きが良く、順調にきていると思います。体感以上に時計も出ていて、しっかり動けていました。
──マリアエレーナの長所は?
松山 内枠からいつもいいスタートを切っていいポジションで運べる器用さのある馬で、長くいい脚を使ってくれる馬だなと思っています。
──小倉記念連覇へ向けて意気込みをお願いします。
松山 昨年、マリアエレーナは強い競馬をしてくれて勝たせていただきました。もう一度、同じ舞台で乗れることを嬉しく思いますし、前走に引き続き乗せていただけることにも感謝しています。連覇できるようにしっかり結果を出したいなと思っています。去年の小倉記念であれだけ強い競馬をしていて、今年は馬場状態はまた違うと思いますけど小倉競馬場は合う馬だと思うので、しっかり勝てるように頑張りたいです。
▲牝馬として初の小倉記念連覇達成へ…(C)netkeiba.com
(文中敬称略)