世界的な高級リゾート地ドーヴィルを拠点とするフランスのセリ会社「アルカナ社」が、夏期限定で“フランス競馬”の魅力に迫る現地最新情報をお届けします。
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2歳戦から活躍できそうな馬が例年以上に多い
ヨーロッパ各国における主要なイヤリングセール・サーキットの幕開けを飾る「アルカナ・オーガスト・イヤリングセール」の開催まで、1週間余りとなりました。同時に、アルカナのセリ会場に隣接するドーヴィル競馬場における開催も、佳境を迎えようとしています。
今週の日曜日(13日)には、ヨーロッパにおける真夏のマイル王決定戦という位置付けにあるG1ジャックルマロワ賞(芝1600m)が行われます。
そして、セールが開催されている19日(土曜日)、20日(日曜日)の両日は、2つのG1競走を含めて6つもの重賞競走が施行される、豪華な週末となっています。
G1競走の1つは、サンブ・ファームがスポンサーとなって施行される、2歳馬のG1モルニー賞(芝1200m)です。近年の勝ち馬には、サンデーサイレンスの孫にあたり、アルカナ・オーガスト・イヤリングセールの出身馬でもある、ダビルシムが含まれています。
もう1つのG1は、こちらもサンブ・ファームがスポンサーとなっている。牝馬のG1ジャンロマネ賞(芝2000m)です。
また、これに先立ち、17日(木曜日)の開催では、今年が初の試みとなります「アルカナ・シリーズ」が施行されます。「アルカナ・シリーズ」とは、ドーヴィルセールに上場された経歴を持つ馬のみに出走資格がある、4競走によって構成されるユニークなシリーズです。
このうち、未出走の2歳牡馬を対象としたアルカナ・シリーズ・デ・プーラン(芝1400m)、未出走の2歳牝馬を対象としたアルカナ・シリーズ・デ・プーリッシュ(芝1400m)、出走経験のある2歳馬を対象としたアルカナ・シリーズ・クリテリウム・ド・エテ(芝1200m)の3競走が、17日のドーヴィル開催に組まれているのです。
もう1競走のアルカナ・シリーズ・クリテリウム・ド・オトンヌは、凱旋門賞の前日にパリロンシャン競馬場で開催される予定です。
314頭がラインナップされている今年のカタログを精査しますと、大手生産者たちが、アルカナ・シリーズを意識した上場馬選定をしている節がうかがえます。すなわち、血統、馬体考察の両面から、2歳戦から活躍できそうな馬を、例年以上に多く、セールに送り込んでいるのです。
最後に、上場馬のカタログ・アップデートをご紹介させてください。
上場番号42番の、父カメコの牡馬。本馬の半兄にあたるミドルアース(牡3)が、7月28日にニューマーケットで行われたノーヴィスを制し、初勝利をあげています。今年のG1イスパーン賞4着馬バッカルーの半弟でもある同馬は、モンソー牧場からの上場馬です。
上場番号109番の、父ウートンバセットの牡馬。本馬の半兄にあたるルースキャノン(牡2)が、7月28日、ヨークのノーヴィスを制し、デビュー勝ちを果しています。
上場番号119番の父ロペデヴェガの牝馬。本馬の全姉にあたるエクスペンシヴクイーン(牝2)が、7月7日、ヘイドックのノーヴィスでデビュー勝ちを果しています。バリーリンチ・スタッドから上場される本馬の全姉には、重賞2勝馬アントニオドヴェガもいます。
上場番号194番の、父ウートンバセットの牡馬。本馬の半兄アラバマ(牡2)は、7月5日、ティペラリー競馬場で行われたLRティペラリーSで2着となっています。本馬の半兄には、G1フェニックスS勝ち馬スーネイションもいます。
上場番号226番の、父ケイブルベイの牡馬。本馬の半姉パピリオ(牝3)は、7月8日に行われたG1ベルモントオークスで3着に健闘しました。
上場番号250番の、父ハローユムゼインの牝馬。本馬の半兄ファストラージ(セン5)は、7月16日に行われたG3メシドール賞に優勝。自身2度目の重賞制覇を果しました
日本の皆様、8月にドーヴィルで行われるレースとセールに、ぜひご注目ください。
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