こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才「のれん」氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
先週は残念ながら不発となったのれん氏ですが、依然として年間トータルではプラス収支。当然、今週はさらに気合が入っていることでしょう。そんなのれん氏が今週注目したのは、札幌競馬場で行われるキーンランドC(GIII)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考としてお役立てください!
条件変更による恩恵も!?
先週の当コラムでは小倉芝1200mは馬場の荒れ方で傾向が大きく変わるということを書いたが、キーンランドCが行われる札幌芝1200mもそれは同じで、洋芝で馬場が一度荒れると回復しにくいので開催が進むと内の馬場がダメになることが多い。
先日の札幌記念を見ても分かるように、一周コースだと外枠から道中内に入れるなど枠順に囚われない競馬をすることは可能だが、1200mではどうしても枠なりの競馬を強いられるので後半は外枠有利が顕著になるコース。
以下の表は過去9年(2013年が函館開催だった為)の芝1200m重賞における外枠の成績を複勝回収率順に並べたものになるが、キーンランドCは明らかに外枠の成績が良いことがわかる。ちなみに同条件で範囲を全芝重賞に広げると、函館スプリントSに次ぐ2位だったのが来週行われる札幌2歳S。そこからも開催後半の札幌芝の外枠有利具合が見て取れるだろう。
そしてもう一つのポイントが今年から変更になった斤量規定。説明しようと思ったがあまりにも長くなりすぎるので簡単に書くと(詳しく知りたい方はJRAのHPで昨年と比較してみてください)、実績馬が重い斤量を背負いにくくなった。昨年までの規定だとキミワクイーン・トウシンマカオ・ナムラクレア・ナランフレグの4頭がもう1キロ余分に背負わされていたことになるので、それらの馬は恩恵を受けられるという解釈でいいだろう。
これは余談だが、近年は間隔を詰めるローテが嫌われるようになり、以前ならスプリンターズSの叩きにセントウルSを使っていたような馬がより間隔を開けられる北九州記念やキーンランドCを使う例が増えてきた。今年もかなり強いメンバーが集まった印象だが、前述した斤量規定の変更やWASJと同週でトップジョッキーを確保しやすいことからもこの傾向は続きそうなので、近い将来スプリンターズSをキーンランドC組が席巻するようになるかもしれない。