こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才「のれん」氏が当週の重賞注目馬を公開。先週、土日ともに10万超えの払戻しを獲得したのれん氏に、ただ強いというだけでなく馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。実力派の見解を、ぜひ予想の参考としてお役立てください!
例年以上の高速決着も!?
セントウルSは京都競馬場改修による変則日程で実に4年ぶりに阪神競馬場に戻っての施行。
阪神芝1200mの大きな特徴として挙げられるのが、スタートから3コーナーまでの距離が243mと日本の芝1200mコースの中で一番短いこと。そのためスタートから緩やかに下っていく割にペースが上がりにくく、逃げ馬の好走率をみても全競馬場の1200m戦の中で一番高くなっている。近年の重賞でも2015年セントウルSのアクティブミノル(単勝48.0倍)、2019年CBC賞のラブカンプー(単勝93.1倍)と人気薄の逃げ切りが決まって波乱になった。
またセントウルSが行われるのは秋開催の開幕週で、暑い時期に芝を養生しているので年で一番馬場状態が良い時期と言える。G2レースでレベルも高いので当然走破時計も速くなりやすく、雨の影響があった2018年を除くと毎年勝ち時計が1分7秒台に突入している。表にも色を付けているが、今年の春開催では条件戦でも好時計が出たレースが多く馬場が速めだったので、今年は一層高速決着になるかもしれない。
そしてセントウルSが前回阪神で行われた2019年までと現在の違いが、京都競馬場改修によるロングラン開催に耐える為に馬場を強固に造ったからか、内有利が非常に顕著になったこと。以下の表を見比べてもらうと、改修が始まってそれ以降内枠の成績がかなり上昇していることが分かる。
京都競馬場改修が終了したことでこの傾向が元に戻る可能性もあるが、少なくとも6月開催では変わらず外枠がほぼ全滅していたので、変わる兆候がみられるまではこれを頭に入れておいた方が良いだろう。
メンバーを見ると、間隔を開けるローテーションが主流になってきた影響か、2019年以前のようにロードカナロア・ハクサンムーン・ビッグアーサー・ファインニードルといった路線の主役級の出走はなし。人気想定が3歳馬のビッグシーザーに、故障明けからまだ結果が出ていないピクシーナイトやジャングロと人気ほど信用が置けなさそうな馬も多いので、波乱の余地は十分ありそうだ。