前走1勝クラス組でどんな馬に注目すべきか
過去10年のローズSを前走クラス別に振り返ると、前走GI組が[7-2-3-47]とさすがの強さを見せている一方で、次に着度数上位となるのは前走1勝クラス組の[3-4-3-39]である。春の実績馬が本番直行を選ぶ割合が年々強まっているので、前走1勝クラス組の成績は今後上がっていくものと思われる。さらに今年は前走オークス組が前走4・8・10着、10・5・18番人気なので、前走条件戦組の好走できる余地が広い。
では、前走1勝クラス組の中でもどんな馬に注目すべきか。まずひとつめはキャリアである。当然のことながら、キャリアを重ねてもまだ1勝クラスにいるという馬よりも、キャリアの浅い馬のほうが有望だ。
先述した過去10年の1勝クラス[3-4-3-39]のうち、キャリア5戦以下が[3-2-0-8]に対し、キャリア6戦以上は[0-2-3-31]。後者からも複穴は出ているが、前者に該当する馬がいればそれを狙うのが手っ取り早い。
そして、キャリア5戦以下から馬券に絡んだ馬には共通する条件がある。芝の条件戦では馬券圏内を外していなかったということだ。
15年1着タッチングスピーチは4着以下だったのがチューリップ賞と忘れな草賞。17年1着ラビットランはその前走ではじめて芝を使い1着。18年2着サラキアはチューリップ賞とフローラSで4着だった以外は3戦3連対。21年1着アンドヴァラナウトはそこまで2・2・1・2・1着。22年1着サリエラは1・1着。
過去10年よりさらに前になると前走1勝クラス組の好走がかなり少なかった時代で、前走1勝クラスかつキャリア5戦以下からローズS好走という事例がほとんどない。平成以降でも先に挙げた以外に2例あるだけ。ただそんな中でローズSを勝ったレクレドール(04年)はそこまで4戦すべて3着以内。参考にならないくらい古い例だがリンデンリリー(91年1着)は芝で1位入線13着降着と、1着だった。
今年は前走1勝クラスからの登録馬が11頭で、うちキャリア5戦以下は6頭。この6頭はいずれも芝の条件クラスで4着以下にはなっていない。ちょっと該当頭数が多いが、個人的にこの中から本命馬を選ぼうかと考えている。