▲鳴り止まない夫からの電話(撮影:桂伸也)
障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、昨夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。
雄造騎手の“退院したい”という気持ちはかなり強く、電話を掛けては由紀子さんから「早く帰れるようにリハビリ頑張って!」と諭され、電話を切るという一連の流れを繰り返します。
夫の容態が回復していることには喜びを感じながらも、短期記憶がかなり弱い点に不安が残り…。
私の言葉にはあっさり引き下がる夫(笑)
落馬後初の電話から2時間後、子供たちのお迎えに園に向おうとしていると、再び夫から着信が。出てみると「帰りたいから迎えにきて」とのこと。思わず「さっき言うたやん(笑)。無理やで!」と笑ってしまったのですが、先ほどと同じことを優しく説明し、「子供たちのお迎えに行ってくるね」と伝えて電話を切りました。
お迎えのあとは、ママ友と子供たちと公園へ。そろそろご飯を食べに行こうと公園を出ようとしたとき、また夫から着信がありました。
子供たち「パパー!! 元気になったの? 痛くないの?」
夫「痛くないよ。元気やで」
▲子供たちとテレビ電話をする雄造騎手(提供:白浜由紀子)
子供たち「パパ、今からご飯行くねん!」
夫「いいなぁ。楽しんできて」
子供の友だち「こんばんはー!!」
夫「おぉ〇〇くん!! こんばんは」
ママ友「お久しぶりです! 元気になられて良かった!!」
私「わかる? 〇〇くんとママ!!」
夫「わかるよ! 〇〇くんやろ?」
私「そうそう。落馬の1週間前に園のお友だち総勢4家族で琵琶湖に行ったの覚えてる?」
夫「いや…。覚えてない」
私「じゃあ1カ月前に〇〇くん一家と2組で琵琶湖に行ったのは? 市民プールの予定を琵琶湖に変更したやつ」
夫「覚えてるよ。今からご飯行くんやろ? 切る」
私「行ってくる! じゃあね」
お店に入り、食事をしていると、また夫から着信が……。