こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才「のれん」氏が当週の重賞注目馬を公開。先週のローズS(GII)では7番人気のマスクトディーヴァを推奨し、ウマい馬券では10万超の払戻しを獲得しています。
9月に入ってから、これで3週連続のプラス収支となったのれん氏。今週も、ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、阪神競馬場で行われる神戸新聞杯(GII)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
二面性を持ち合わせたコース
今年の神戸新聞杯は4年ぶりに阪神芝2400mに戻っての施行。コース形態の特徴としては、まず一つがスタートから1コーナーまでが325mとやや短く、1〜2コーナーの角度がきついので前半はほぼスローペースになること。下級条件では基本頭数が揃わないのもあってその流れのまま直線に向いて瞬発力勝負に長けた馬が好走するケースが多い。
ただ上級条件だと下級条件に比べて頭数が揃いやすく、レースレベルも上がるのでペースも締まりやすい。下のグラフの比較からも、上級条件の中でも頭数が揃う方が前半で流れる傾向にあることが分かる。その上でゴール前には急坂が待っていることから、最後でタフな差し馬が台頭するという二面性を持ち合わせたコースだ。
神戸新聞杯は3000mの菊花賞へのトライアルという特性上、道中で動きにくくペースが乱れにくいレースではあるが、それでも人気馬でない馬の食い込みは初角10番手以下の差し馬が目立つ。その名前を見てもマジェスティハーツ・サウンズオブアース・トーセンバジル・レッドエルディストとその後長い距離で活躍した馬が多く、他場の2400m戦と比べてもタフさが求められやすいと言える。
また近年はトップクラスの3歳馬がトライアルを使わずGIへ進むローテが主流となっているが、こと菊花賞においては休み明けで3000mを使う事への懸念なのか近10年前走ダービーから出走したのがディープモンスター1頭のみ。つまりダービー組がトライアルを使ってくるということになるので、近10年の神戸新聞杯では前走ダービー出走馬が9勝し、すべての年で連対している。
中京開催のここ3年を除くと、ダービー5着以内に入りながら神戸新聞杯で凡走した馬はエアスピネル・マイスタイル・エポカドーロの3頭。エアスピネルとマイスタイルは古馬になってからは長くても2000mが主戦場だったし、エポカドーロも立ち回りを活かす先行馬で、先に書いた他場の2400mよりもタフさが求められやすいという点で舞台が向いていなかったのが凡走の要因と考えられ、基本ダービー上位入線馬は強い。
今年はその条件からハーツコンチェルトが出走予定。ダービーがスローで位置取りの差が大きいレースになったので上位入線=強いとも言えないが、ハーツコンチェルトも途中から捲るレースで向いたわけではなかったし、舞台設定も向くイメージなので比較的信頼度は高そうだ。