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イギリスでも興味深いレースが目白押し

  • 2023年09月27日(水) 12時00分

見逃せない2歳戦がイギリスのニューマーケットで開催


 今週、日本の競馬ファンの目はG1凱旋門賞(芝2400m)を中心としたパリロンシャンの「アーク・ウィークエンド」に向いているが、9月28日(木曜日)から30日(土曜日)まで、イギリスのニューマーケットで行われる「ケンブリッジシャー開催」も、興味深いレースが目白押しだ。

 中でも見逃せないのが、2歳戦である。

 まずは、28日(木曜日)に行われる、牡馬とセン馬による7FのG3サマーヴィルS。登録馬のほとんどが1勝馬という顔触れだが、人気を集めそうなのは、前走デビュー勝ちを果してここが2戦目という素質馬たちだ。

 中でも、8月26日にニューマーケットのノーヴィス(芝7F)でデビュー勝ちしての参戦となるエベンシャダッド(牡2、父カリークス)、9月7日にヘイドックで行われたノーヴィス(芝8F)を制しデビュー勝ちしているレジェンドオヴタイム(牡2、父シーザスターズ)、9月14日にネースのメイドン(芝6F)でデビュー勝ちしているミリタリー(牡2、父シユーニ)の3頭は、管理調教師がそれぞれJ&T.ゴスデン、C.アップルビー、A.オブライエンという大御所だけに、大きな注目を集めている。いずれにしても、ここを勝った馬が来春の二千ギニー戦線に浮上することになる。

 続いて、29日(金曜日)に行われる牝馬による7FのG2ロックフェルS。

 ブックメーカーが2.875〜3.0倍のオッズを掲げて前売り1番人気に推しているのは、シュワリ(牝2、父ニューベイ)だ。7月27日にサンダウンで行われたLRスターS(7F)を制し、デビューから無敗の2連勝を飾っている。

 多くのブックメーカーがオッズ4倍で2番人気に推すのが、9月12日にレスターで行われたノーヴィス(芝7F)を2馬身差で制しての参戦となる、J&T.ゴスデン厩舎のスピリチュアル(牝2、父インヴィンシブルスピリット)だ。さらにこれに続くのが、8月26日にグッドウッドで行われたG3プレステージフィリーズS(7F)で2着となっているカーラズウェイ(牝2、父スタースパングルドバナー)である。

 ここも、勝ち馬は来年の英1000ギニーに向けた有力候補の1頭となるはずだ。

 そして、開催最終日の30日(土曜日)には、2歳重賞が3つ組まれている。

 まずは、牡馬とセン馬による距離8FのG2ロイヤルロッジS。2010年には怪物フランケルが、2017年には翌年の欧州年度代表馬ロアリングライオンが制している一戦で、つまりは、大物を輩出する可能性があるレースである。

 前売りオッズをみると、ひと桁台のオッズに6〜7頭がひしめく混戦模様だ。

 そんな中、頭1つ抜けた存在が、A.オブライエン厩舎のキャピュレット(牡2、父ジャスティファイ)だ。8月15日にダンドークのメイドン(AW8F)でデビュー勝ち後、9月9日にレパーズタウンで行われたG2チャンピオンズジュベナイルS(芝8F)が2着だった。

 キャピュレットと同厩で、9月3日にティペラリーで行われたメイドン(芝9F)を制しデビュー勝ちしての参戦となるロサンジェルス(牡2、父キャメロット)、9月2日にサンダウンで行われたG3ソラリオS(芝7F)を制し、無敗の2連勝で重賞初制覇を果たしたアーブラン(牡2、父ドバウィ)の2頭が、2番手グループを形成している。

 ここで良い勝ち方をする馬が現れれば、英2000ギニーのみならず、英ダービーの前売り戦線にも顔を出す可能性がある。

 30日に組まれた残る2つの2歳重賞は、いずれも距離6FのG1競走だ。

 まずは牝馬によるG1チェヴァリーパークS(芝6F)。

 中心視されているのは、W.ハガス厩舎のリリーフローリー(牝2、父コーディアック)である。4月24日という早期デビューから、既に5戦を消化。8月24日にヨークで行われたG2ロウザーS(芝6F)を制し、4勝目をあげるとともに重賞初制覇を果している。

 これに続くのが、フランスから遠征してくるジャズナズシークレット(牝2、父ガリウェイ)だ。8月17日にドーヴィルで行われたアルカナのボーナス競走クリテリウムデテ(芝1200m)を3馬身差で制し、無敗の2連勝を飾っている。

 一方、実績的には最上位なのが、8月12日にカラで行われたG1フェニックスS(芝6F)2着、9月10日にカラで行われたG1モイグレアスタッドS(芝7F)3着の成績を残しているポルタフォーチュナ(牝2、父カラヴァッジオ)だ。

 最後に、牡馬によるG1ミドルパークS(芝6F)。

 1番人気が予想されるのが、S&E.クリスフォード厩舎のヴァンディーク(牡2、父ハヴァナグレー)だ。7月21日にノッティンガムで行われたメイドン(芝6F)、8月3日にグッドウッドで行われたリッチモンドS(芝6F)、8月20日にドーヴィルで行われたG1モルニー賞(芝1200m)を、いずれも白星で通過して3連勝。3戦の着差はいずれも1馬身以内と、派手な競馬をする馬ではないが、確実に勝利を手にする勝負強さがある。

 これに続くのが、A.オブライエン厩舎のリバータイバー(牡2、父ウートンバセット)だ。デビューから無敗の3連勝でロイヤルアスコットのG2コヴェントリーS(芝6F)を制した後、ドーヴィルのG1モルニー賞で3着に敗れて連勝がストップ。ただし、モルニー賞の2週間ほど前に一頓挫あり、調教を休むというアクシデントがあったことが明らかになっている。

 ジャドモントが送り出すタスクフォース(牡2、父フランケル)は、母が09年のG1チェヴァリーパークS勝ち馬という良血馬。8月28日にリポンで行われたLRリポンチャンピオン2歳トロフィー(芝6F)を制し、無敗の2連勝を飾っている。

 チェヴァリーパークSやミドルパークSの上位馬は、ロイヤスアスコットのG1コモンウェルスC(芝6F)の有力馬に浮上する可能性が高い。

 今週は、ニューマーケットを舞台とした2歳馬たちの戦いにもご注目をいただきたい。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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