こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。今週も、ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、中山競馬場で行われるスプリンターズステークス(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
馬場次第では外の選択肢も?
中山芝1200mはスタートから500m近くを下っていくレイアウトで、ペース自体は比較的速くなる。その上に最後の直線では急坂も待っているため、芝1200mの中では逃げ馬の成績が良くない舞台。ただ年で一番馬場状態が良く、野芝オンリーの開催で時計が比較的速くなる秋開催ではその限りではなく、他開催と比べて逃げ先行馬の好走率が上がり、差し追い込み馬の好走率が下がっていることが分かる。
馬場状態が良いということは、当然道中のロスが結果に大きく響くということにつながる。枠順別成績を比較してみても、秋開催を除くと8枠が少し低いくらいで外枠でも大きな差はみられないが、秋開催に限定してみると顕著に外枠の成績が悪くなっている。
スプリンターズSにおいても内枠有利の傾向は同じで、ここ2年もシヴァージにジャンダルムと内枠を活かしてポジションを取った馬が好走。スタートの比重の高いスプリント戦で後入れの偶数番も有利になりやすく、内枠×偶数番が馬券内に来なかったのは近10年(新潟開催除く)で2013年と外差し馬場だった2020年のみで、人気薄を除くと複勝回収率200%近い。
今年のメンバーは前走逃げたのがジャスパークローネとテイエムスパーダの2頭で、近3走に広げてもモズメイメイとマッドクールだけ。テンがあまり速くないテイエムスパーダの枠がカギを握りそうだが、極端なハイペースは望み薄か。バイアスの不利を覆すだけの抜けた能力を持った馬がいなさそうなメンバーからしても、枠を活かしてポジションを取れる馬の台頭がありそう。
ただ先週の馬場はCコース替わりだったが雨の影響もあり、馬場の回復した日曜日も極端な内有利にはならず、内枠の成績を比較しても単勝回収率以外すべてが過去2年を下回っている。
昨年はジャンダルムを本命にして的中したが、単勝オッズ20.3倍は正直売れすぎだった印象で、それだけスプリンターズS=内枠有利が知れ渡っているということ。ここ2年の印象が強い上に主役不在の混戦の今年はさらに内枠が売れそうで、そうなればそこに妙味はなくなる。最終的には土曜日や当日の競馬を見て判断すればいいが、現時点では枠番そのものよりもその並びが重要になりそうに感じる。