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【#22】「家の近くに帰ることができればそれだけで頑張れる」夫自身が関西の病院への転院を決断

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  • 2023年10月01日(日) 18時01分
shirahama

▲“とにかく帰りたい”夫へ、関西の病院への転院を提案(撮影:桂伸也)


障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、昨夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。

意識を取り戻して以降「帰りたい」コールを続ける雄造騎手ですが、相も変わらず由紀子さんは鬼嫁。夫と同じレベルの熱量で、逆に「入院を続けてほしい」と願っていました。

そんなある日、夫のリハビリへのモチベーションを上げるため、関西の病院への転院を提案することにしました──。

「亭主は元気じゃなくても留守がいい!(笑)」


 その後も夫からの「帰りたい」コールは続きました。

 リハビリや治療の効果で少しずつ病識を持つことができた夫は、怪我を治さなければ退院が難しいということも理解できるようになっていました。

 脳が正常であれば、リハビリに精一杯取り組むことが退院への一番の近道だと理解できるはずです。ですが、理解しつつも、後遺症の影響で判断能力や抑止力に問題があるのか、「帰りたい」という気持ちを抑えることが難しく、リハビリの重要性をすっかりと忘れてしまい、帰宅願望ばかりが強くなる。この頃の夫は、そういう状態にありました。

 病院のスタッフさんに帰宅したいことを訴え、訴えが激しいときは「奥さんに聞いてみたら?」と言われていたらしく、

「病院のみなさんはとても親切だけど、家に帰りたい」
「子供たちに会いたい」
「とにかく1日でも早く家に帰りたい」
「リハビリが大切なのはわかるけど、それでも家に帰りたい」

 などなど、その都度私に連絡がありました。夫としては、帰りたい気持ちを私に訴えることで、「そこまで帰りたいと思っているなら受け入れよう!」と言ってほしかったのだと思います。

 でも、私は鬼嫁です。情にほだされることは決してありません(笑)。

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1981年9月9日生まれ。2015年に障害騎手の白浜雄造と結婚。1男1女をもうける。結婚前は四位洋文調教師や福永祐一調教師(両名、当時騎手)らが所属していたマネージメント会社にてマネージャーを務め、TV番組収録やイベント等、様々な現場で騎手をサポート。福永調教師の引退までの16年間はバレット業務も兼任。福永厩舎開業後は経理兼秘書業務を担当予定。現在はオンラインサロン「福永祐一 競走馬研究所」の運営スタッフを務める傍らフリーランスとして活動中。新たな目標のアイシングクッキー講師としても活動すべく準備中。(旧姓は坪田、また戸籍上の表記は幸子)

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