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【秋華賞】女王の戴冠を楽しみに

  • 2023年10月14日(土) 12時00分

独壇場しか見えてこない


 今年の秋華賞は、リバティアイランドの史上7頭目牝馬3冠制覇成るかが全てと言っていい。どこを見ても、地力断然を強調する文字ばかりだが、今世紀に入って3冠牝馬になった5頭をよくみると、はっきりとした共通点があった。

 2003年のスティルインラブ、10年のアパパネ、12年のジェンティルドンナ、18年のアーモンドアイ、そして20年のデアリングタクトと全てがオークスを上がり3ハロン最速で勝っていたのだ。

 さらに加えれば、この10年、上がり3ハロンを最速でオークスを勝った馬は秋華賞に5頭出走していて、そのうち4頭が勝利しているのだ。決め手の鋭さが武器であれば、この舞台では有利と考えていい。

 ただこの2年は、阪神で行われていて、どちらもオークス馬が勝てずにいたので、3年ぶりで京都の今年は、この2年とは違うと考えていいだろう。

 こうして振り返ってみて、今年のリバティアイランドをどう見るかだが、そこにはこの女王の独壇場しか見えてこない。

 春の2冠を振り返ると、桜花賞は4角16番手という絶望的な位置から、大外を32秒9で追い込んで、先行して抜け出していたコナコーストをとらえていた。そしてオークスは、一変して中団より前めの内でピタリと折り合い、直線に向いても持ったまま。残り300米あたりから追い出すと一気に加速、ラスト200米で6馬身と突き放し、上がり3ハロンは最速の34秒0をマークしていた。しかも勝ちタイムの2分23秒1は、一週間後のダービーの勝ちタイムを2秒1も上回っていた。

 こう見てくると、京都の内回り2000米でもマイナスになる要素は見つけにくい。桜花賞が4ヶ月ぶりのレースだったので、今回のオークス以来でも何等不安はない。

 牝馬にしてはカイ食いは落ちず、食べたものが実になって秋を迎えているとなれば、無事に走ってさえくれれば、大記録達成のシーンが見られる。とにかく主役の快挙を楽しみにみることとし、あとは2着、3着にどの馬が来るかを考えることにしたい。

 オークス出走馬が好走することの多いことを思うと、2着のハーパーを。成長曲線を描くハーツクライ産駒というのが魅力だ。素直にオークスの結果どおりならこの馬を。

 この10年でトライアルの紫苑S組の成績が目立っているので、ここからも選んでおく。春はマイル路線を戦っていたモリアーナは、初めての2000米だった紫苑Sで強烈な追い込みを決めたのが目を引く。ハイペースがハマった面もあったが、やや重でレースレコードタイだから、その勝ち方は優秀だった。

 この時2着だったヒップホップソウルは、先行馬が総くずれする中、道中4番手から早目に抜け出していた。京都の内回り、平坦な直線ならさらなる好走も考えられる。

 そして、クイーンSで年長馬を破って重賞2勝目を上げたオークス3着のドゥーラを加えておく。

「久しぶり 京都で咲かす 秋華賞」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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