こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。今年も年間回収プラス推移と好調なのれん氏に、ただ強いというだけでなく馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、東京競馬場で行われる天皇賞(秋)(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
締まった流れになる可能性が高い
秋の天皇賞が行われる東京2000mコースの一番の特徴と言えば、スタート地点が1コーナー奥のポケットと特殊な位置なこと。その影響でスタートして100mそこそこでコーナーを曲がることになり、頭数が揃うと外枠の馬はポジションを取りにくい。ただ今年の天皇賞は登録時点で13頭しかいないため、枠順の影響は少なそう。
東京の芝中距離戦はダービーやジャパンカップをはじめとして、日本競馬で目指す頂点のレースになる。この天皇賞(秋)もそうで、いわば主流条件のど真ん中。日本の主流条件のレースということは、生産者リーディングで13年連続1位になることが確実なノーザンファームの生産馬が強いということ。
その中でも近年は関東馬の活躍が目覚ましく、2013〜2017年の間、ダービー・天皇賞(秋)・ジャパンカップの牡牝混合東京芝中距離GIで好走したのが、ノーザンファーム天栄を利用しない堀厩舎の馬を除くとレイデオロ1頭だけだったのに対し、2018〜2022年は逆に出走馬がいたレースで好走しなかったのが2019年ダービーと2019年・2022年ジャパンカップのみ(2019年ダービーは他牧場生産だが天栄育成馬のダノンキングリーが2着)。これはおそらく2011年に開場したノーザンファーム天栄が、時間の経過とともに円滑に運用できるようになったことが一番の要因だろう。
今年ノーザンファーム生産の関東馬&非堀厩舎は圧倒的1番人気を背負いそうなイクイノックス1頭だけ。言うまでもなく好走する確率はかなり高い。
またこのレースの傾向として、東京コースで最後の直線が長いため奇襲的に逃げたがる馬は少なく、基本力のある先行馬がいない年は前半60秒台のややスローからの3〜4F戦、トウケイヘイロー(2013年)・キセキ(2018年)・アエロリット(2019年)といった馬がいる年はペースが締まってそれより長く脚を使う競馬になっている。
そして今年は逃げてGIを制しているジャックドールが出走。久しぶりに手綱が戻る藤岡佑介騎手のペースメイク次第ではあるが、どちらかというと締まった流れになる可能性が高いのではないかと想定。