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【ビッグリボン×松崎圭介助手】手作りリボンで「かわいくしてもらいます」 2歳の時から夢みたGIに初挑戦!

  • 2023年11月05日(日) 18時01分
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▲エリザベス女王杯に出走予定のビッグリボンを担当する松崎圭介助手(ユーザー提供:モエロウエクラさん)


これまで多くの活躍馬が誕生している中内田厩舎の“牝馬担当”といえば松崎圭介助手。先月、牝馬三冠を達成したリバティアイランドをはじめ、ダノンファンタジーやミッキーチャームも担当してきました。

「奥様の手作り」というリバティアイランドらとお揃いの髪飾りやリボンなど愛らしいルックスも話題のビッグリボン。念願のGI初出走を前に、松崎助手の想いを伺いました。

(取材・文=デイリースポーツ:井上達也)

初対面から「いい馬やなぁ、オークスへ行けるかな」


──エリザベス女王杯に出走するビッグリボン。前走の京都大賞典を振り返っていただけますか。

松崎 これまで重賞は牝馬との対戦しかなかったので。エリザベス女王杯を目標に、府中牝馬も選択肢にあったけど、牡馬の強いところと一回ぶつけていい経験をさせられたらと京都大賞典に使いました。それなりに動ける仕上がりではあったけど、やっぱり牡馬は強いな、という結果にはなりました。ただ、ジョッキーも言っていたけど、内容は悪くなかったので。いいトライアルにはなったと思っています。

──重馬場も響きましたか。

松崎 そうですね。あまり得意じゃない馬場でした。

──福島牝馬S2着のあと、マーメイドSを勝利。充実ぶりが目立ちますが、以前と比べて変化のようなものは。

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▲マーメイドSを勝利したビッグリボン(C)netkeiba.com


松崎 体はしっかりとしてきたかな。5歳だけど、レースはそれほど使っていないので、まだまだ体も若いですし、どんどんムキムキというか、ムチムチというか。いい体になってきたなと感じます。

──ビッグリボンの性格は。

松崎 牝馬だけど、牡馬みたいな性格で、少々怒ってもへこたれない。人間に全く迎合しない。女の子ってかわいさ見せてくるところがあるけど、そんなかわいさも見せずに我が道を行く、みたいな。おもしろい女の子です。カイバもめちゃくちゃ食べるし、しっかりと自分を持った性格的に強い馬。珍しいです。いろんな馬をやってきて、もちろん個体差はあるけど、牝馬としてはかなり自立した馬だと思います。

──苦労されたことは。

松崎 若い時は体質が弱くて、思うように使えない時期もあったので。でも、今は体質が強化できて、今年はコンスタントに使えていて。狙ったレースにしっかりと向かえていますね。

──成長を感じる部分は。


松崎 2歳からかなり馬格があったので、持て余さずに自分の筋力を使えるようになってきたと思います。

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▲自分の筋力が使えるようになったことで重賞制覇も(C)netkeiba.com


──以前は馬体重の増減が激しかった。

松崎 すぐ太っちゃうんです。なかなか絞れなくて、レース使うとやっと絞れるみたいな。乾草一本も残さず、エン麦も一粒も残さずで。今までカイ食いが上がったことがない。女の子では珍しい。ダイエットに苦労するぐらいですよ。3歳、4歳は休み、休みで。休んだ時に太って、それが絞れなくて太め残りで。能力が抜けていると思っていたので、少々太めでも勝負になるやろうなと思っていたから。カイバを食べないという苦労がないのは助かりますね。

──ファーストインプレッションは。

松崎 2歳の暮れに入厩してきたんですけど、これはいい馬やなぁと、率直に思いました。どこかで大きい所を取らせないといけない馬なんだろうな、走らせないと申し訳ないなって。馬格の良さ、シルエット。僕が、長い距離の合うゆったりとした体が好みなので。そういう馬体で入厩したので、がんばったらオークスへ行けるかなと思った。忘れな草賞が3着でその夢はついえましたけど。

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▲「どこかで大きい所を取らせないといけない馬」(ユーザー提供:モエロウエクラさん)


「牝馬も難しくない」数々の名牝を担当してきたエキスパート


──牝馬は扱いにくいイメージがありますが。

松崎 扱いにくいけど、とくに難しく考えずに普通に扱っています。難しいと思わず。でも、牡馬と牝馬では扱いが変わりますね。女の子はなるべく怒らないように。怒るところはしっかり怒ってますけど。牡馬はガツガツやってもへこたれないけど、女の子はひねくれるギリギリのところと思いながら触っていますけど。難しくないですよ。

──ひねくれる、へそを曲げるというのはどういった様子で感じますか。

松崎 人間に不信感を抱くというか、なつかない。寄ってこなくなるみたいな。

──リバティアイランドにダノンファンタジー、ミッキーチャーム。牝馬に強いと言われませんか?

松崎 牡馬で重賞を取ったことがないんです。8割方牝馬を任されるので(笑)。

──同じ牝馬ですがリバティアイランドの性格は。

松崎 女の子らしい女の子。人懐っこくて、かわいげがある。すぐに寄ってくるので。顔を触られるのが本当に好きなんです。

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▲パドックでリバティアイランドを引く松崎圭介助手(撮影:桂伸也)


──ミッキーチャームはいかがでしたか。

松崎 気難しい馬でした。すぐにへそを曲げるような。牝馬らしい牝馬でした。環境の変化に弱かったし。北海道だけで4つ勝った。滞在が向いている馬でした。

──ダノンファンタジーはメンコを着けたり、外したりで色々と苦労していているのが伝わりました。

松崎 イケイケでしたね。走るのが大好きで走り出したら突き進むみたいな。競走馬の鑑のようで“手加減なしに”って感じで、調教は押さえるのに苦労していたんじゃないかなと思います。もう1つGIを勝たせてあげたかったけど、重賞を6勝してくれたので。千四のGIがあったら勝てていたかもしれないですね。

 ちょっとテンションは高かったけど、手がかからなかった。悪いことはしないし、年齢を重ねて落ち着きが出てきたし。今までやってきた馬の中では、ファンタジーが一番手がかからなかった。使いたいレースはほぼ使えたし、しっかりと結果を出してくれました。

──リバティアイランドは髪飾りを、ビッグリボンはリボンを着けています。奥様の手作りだそうですね。

松崎 女の子は何かしら着けている。勝たないとなかなか映らないし分からないけど、GIを勝つといっぱい映るのでね。

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▲「女の子は何かしら着けている。GIを勝つといっぱい映るのでね」と松崎助手(撮影:桂伸也)


──エリザベス女王杯もどんな色のリボンか注目ですね。

松崎 エリザベス女王杯の時もかわいくしてもらいます。写真をいっぱい撮ってもらえるように。

──奥様も楽しみでしょう。

松崎 ほぼGIは現地で観戦しているので。馬が好きなので、かわいくプロモーションしてもらって。リバティアイランドもJRAのアイドルとして仕上げないと。プロデューサーとしてね。

──そのリバティアイランドの次戦はジャパンC。

松崎 盛り上がるでしょうね。牝馬ファンの応援を一手に引き受けて。楽しみしかないです。その前にビッグリボンでがんばりたい。

──エリザベス女王杯を楽しみにしています。

松崎 初GIなので、たどりつけて良かったなと思っています。前走が、ジョッキーの感触が悪くなくて、悲観する感じではなかったので。牝馬同士なら能力が足りると思うので、彼女らしいレースをしてくれたら、いい結果が出るのかなと思っています。

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▲「彼女らしいレースをしてくれたら、いい結果が出る」(ユーザー提供:駿足人間さん)


(文中敬称略)

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