▲エリザベス女王杯でGI初制覇に挑むディヴィーナ(撮影:下野雄規)
府中牝馬ステークスで重賞初制覇を飾ったディヴィーナ。「チグハグだった。ずっと返し馬で終わっていた」という馬が、5月のヴィクトリアマイルでM.デムーロ騎手とコンビを組んで以降は成績が安定、念願のタイトルを獲得しました。
その名手と挑むエリザベス女王杯には、同馬の母ヴィルシーナが桜花賞、オークス、秋華賞と悔しい思いをしたジェンティルドンナの仔、ジェラルディーナも出走予定。子供同士がGIで初対決となる思いについて友道康夫調教師に語っていただきました。
(取材・文=デイリースポーツ・井上達也)
母ヴィルシーナとの比較「体つきも毛色も違うし、似ていない」
──府中牝馬Sを選択した経緯を教えてください。
友道 ミルコに距離どう? って聞いたら“全然問題ない”って言うから、じゃあ千八に行こう、って。エリザベス女王杯に向かうためにもね。
──その府中牝馬Sを見事に勝利。
友道 休み明けで千八に使ったので、あんな感じで行きたがったけど、1回使ってガス抜きができると思いますよ。デビューした最初の頃は2000mに使っていたけど、返し馬でも行くようになって、どんどん距離を短くした。今は返し馬から折り合いが付くようになったので距離を延ばしていいのかな、と。
──今年のヴィクトリアマイルは4着。上がり3F33秒1はメンバー最速で、すごい脚でした。
友道 あのメンバーですからね。やはり力があるんだ、と思いました。
──前走が初重賞制覇。期待が高かったことを思うと、ようやく、といった印象です。
友道 それまではチグハグで。というか、返し馬で終わっていたんですよね。ずっと。
──ミルコ騎手とコンビを組んで見違えるように成績が良くなりました。
友道 馬具とかも工夫していたけど、かみ合ったのはミルコだけ。エッセンスはそこ。我慢するのがうまいところだと思う。
──苦労も多かったと思います。
友道 3歳未勝利でデビューだからね。なかなかうまくいかなかった。この血統は、始めの頃うまくいかない。段々と力をつけていく、という感じで。でも、成長力がある。
──血統的にも注目される馬です。ディヴィーナの母はヴィルシーナ。3歳の時は桜花賞、オークス、秋華賞、エリザベス女王杯と2着に敗れ、4歳になってヴィクトリアマイルでGI初制覇。母と似ている部分はありますか。