▲落馬後、自分の気持ちを抑えて夫に合わせてきましたが…(笑)(撮影:桂伸也)
障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、昨夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。
順調にリハビリも進み、具体的な転院日が決まるのを心待ちにしていたある日、ソーシャルワーカーさんから「嫌な予感」を覚える着信が──。
それと同時に、転院日が決まらない状況が気になり連絡をし続ける雄造騎手。悪気がないことは理解しつつも、由紀子さんは限界を迎え…。
嫌な予感が的中──着信の内容は「転院受け入れ不可」の連絡
その後も日々のリハビリは順調に進んでいるようでした。
この時点ではまだ初歩的なリハビリでしたが、「コツコツと取り組むことができています」との報告とともに、「パパと離れて暮らすお子さんたちに見せてあげてください」と、小倉リハビリテーションセンターのみなさんがリハビリ中の動画を送ってくださいました。
◼︎小倉リハビリテーションでのリハの様子①(提供:白浜由紀子)
頑張っている様子を見ることができてうれしく感じると同時に、あの運動能力の高かった夫が、ふらついたり、もたついたり…。そんな様子を目の当たりにして、私はとてもショックを受けました。
◼︎小倉リハビリテーションでのリハの様子②(提供:白浜由紀子)
私は幼少期から運動神経が悪く、運動全般がとても苦手でした。身体を動かすセンスや空間認知力が平均より低いのだと自己分析しています。夫は、そんな私がどうあがいても手に入らない高い運動能力を持っていました。夫の運動能力の高さに惹かれてお付き合いを始めたと言っても過言ではないくらいです。そんな私にとって、当時の夫の姿を見るのはとてもつらく…。いやいや、リハビリは始まったばかり。きっとここからもっともっとよくなると自分に言い聞かせ、なんとか心を保っていました。
転院は、第1希望の病院にほぼ受け入れてもらえそうとのことで、具体的な転院日が決まるのを心待ちにしていたところ、転院前の診察で九州労災病院へ行く前日の19時頃、ふとスマホを見ると、小倉リハビリテーション病院のソーシャルワーカーさんからの着信が残っていました。
この日は母と子供たちとイルミネーションを見に出掛けていたため、着信に気づくことができず。時間が時間だったため、嫌な予感を覚えつつ、慌てて折り返すと──
嫌な予感は見事に的中。第1希望だった転院先から、正式に受け入れ不可の返事があり、さらに第2希望、第3希望の病院にも受け入れてもらえない可能性もあるとのことでした。